サウジアラムコはサウジの東海岸のアルジュベイル南東のラスタヌラの製油所(55万バレル/日)を95万バレル/日に増設する計画であったが、この計画の延期を決めた。ロイターが伝えた。
サウジアラムコが入札企業に対して計画延期の正式レターを出したという。
サウジアラムコは業者に対して、延期の理由も、延期の期間も明らかにしていない。
この増設は80億ドルを投じるもので、需要増に対応するとともに、隣接して建設される予定のサウジアラムコとダウとの投資額200億ドル以上の単一では世界最大の石油化学計画に原料を供給するもの。
2007/5/15 アラムコとダウ、世界最大級の石油化学コンプレックス建設
情報筋によると、この石化計画も延期される。
基礎設計は当初2009年末に完成の予定であった。
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サウジアラムコは2008年11月6日に、ConocoPhillips とのJVでYanbu Industrial City に日量40万バレルの重質油完全改質製油所を新設する計画の延期を発表した。
同じく11月末には、フランスのTotal とのJVでJubail に日量40万バレルの製油所を建設する計画の入札を金融市場の不安定を理由に延期した。
2008/12/10 サウジアラムコ、石油開発計画を延期
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サウジアラムコのCEOのKhalid A. Al-Falih は3月23日にサウジの商工会議所でスピーチし、現下のグローバルな経済危機とエネルギー部門が直面する問題に拘わらず、同国は石油・ガス部門を拡大するという長期投資計画を維持すると述べていた。
そして、近いうちにPetro Rabigh の2次計画について住友化学と覚書を締結すると明言し、合わせてダウとのJVでのRas Tanura の石油化学計画についても述べていた。
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JVの相手のダウ側にとっては、Rohm & Haas 買収のための借入金返済と本計画への投資資金獲得の目途が立つまでは、この計画を前進させることは難しいのは確かである。
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新増設で市場を壊したくないという気持が動いたのでしょうか。わかりませんが、また南米はアラブ系が多いと言うが、オバマがチャベスと握手を交したことにアラブの盟主サウジ王家は嫉妬したのかな、なんてことも思いました。K-ダウの時と違い、今回のサウジの件はまったくもって意味不明でした。
一方でラービグの2期FSは開始するとのことで、今後住化は千葉のエチレンどうするのでしょうか。
サウジアラムコ:
製油所延期は他の製油所と同様、単に需給を勘案したものでしょう。
ダウとの石化JV延期はダウの要請ではないでしょうか。
ブログに記載のとおり、ダウには今の時点で多額の投資をする余裕はありません。
住友化学:
第二期FS実施を発表しました。(4/21ブログ)
千葉は海外プロジェクト(シンガポール、サウジ)の今後の展開のための技術ベースとして、これからも必要であり、維持するでしょう。