Abu Dhabi Polymers Company Limited (Borouge)はこのたび、第三期計画(BorougeⅢ)のFSを完了し、基礎設計エンジニアリング(Front-end engineering and design:FEED) に入ることを決めた。
Borouge はAbu Dhabi National Oil Company(ADNOC)が 60%、Borealis が40% 出資するが、Borealis は実質的にADNOCの子会社。(Borealis はADNOCが50%、Abu Dhabi Investment Authority/National Bank of Abu DhabiのJVが50%出資するIPICが65%、オーストリアのOMVが35%出資)
Borouge はAbu Dhabi 市の 250 km西にあるRuwais にBorougeⅠを運営、BorougeⅡを建設中で、後者は2010年に完成の予定。
BorougeⅠ | ||
エチレン | 600千トン | |
Borstar PE | 600千トン | HDPE/LLDPE (当初 450千t) |
ブテン-1 | 27千トン | |
BorougeⅡ | ||
エチレン | 1,400千トン | |
olefin conversion | 752千トン | |
Borstar PE | 540千トン | HDPE/LLDPE |
Borstar PP | 800千トン | 400千トンx2 |
* Borstar はBorealis技術によるポリオレフィンのブランド |
2006/6/2 湾岸諸国の石油化学ー3 アラブ首長国連邦(UAE)
BorougeⅢはADNOC の製油所・ガス処理工場の拡張で利用可能となる原料を使い、2013年第4四半期に生産を開始する。
エタンクラッカーと第二世代のBorstar PP とBorstar PE(HDPE/LLDPE)、LDPEとブテン、及び用役・出荷設備からなる。
今回、LDPEを加えることにより、wire and cable 市場の需要増に対応する。
個別の能力は明らかにされていないが、250万トンのポリオレフィンを生産、既存設備と合わせるとポリオレフィン能力は2013年末には450万トンとなり、中東とアジアの需要増に応える。
生産能力の拡大に合わせ、販売面での増強も図っている。
同社は現在、上海と広州に大規模物流センター(上海は年60万トン、広州は年30万トン)を建設中で、上海では物流センターに隣接しコンパウンド工場(当初能力5万トンで、8万トンまで拡張可能)を建設している。
本年1月末には、東南アジア物流センター設立のため、Singapore の CWT Logistics とサービス契約を締結した。2010年から10年間、アジアの需要家にローカルサービスを提供する。
* 総合目次、項目別目次は
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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