三菱ケミカルホールディングス
下期の石油化学関連の赤字が大きく、通期で大幅赤字となり、配当も4円減らした。
次期予想は経常損益までは黒字だが、180億円の特別損失を見込んでおり、当期損益は赤字となる。
連結決算 単位:億円(配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円)
08/3 09/3 増減 概算増減理由 2009年 数量差 売値差 買値差 固定費他 その他 上期 下期 エレクトロニクス・アプリケーションズ 316 48 -268 -180 -280 190 10 -10 106 -59 デザインド・マテリアルズ 97 -21 -118 -70 70 80 -40 0 27 -48 ヘルスケア 572 793 221 130 -140 10 40 180 372 421 ケミカルズ 109 -555 -664 -90 910 -1,140 -70 -270 70 -625 ポリマーズ 112 -130 -242 -120 240 -290 0 -70 -5 -124 その他 141 88 -53 -60 30 -40 10 0 62 26 全社 -97 -141 -44 - - - -40 - -70 -71 合計 1,250 82 -1,168 -390 830 -1,350 -90 -170 562 -480 -520
エレクトロニクス・アプリケーションズ 記録材料、電子関連製品、情報機材、無機化学品 デザインド・マテリアルズ 食品機能材、電池材料、精密化学品、樹脂加工品、複合材 ヘルスケア 医薬品、診断製品、臨床検査 ケミカルズ 基礎石化製品、化成品、合成繊維原料、炭素製品、肥料 ポリマーズ 合成樹脂 その他 エンジニアリング、運送及び倉庫
ヘルスケアを除き減益となったが、特にケミカルズとポリマーズが営業損失となった。
同社の場合は棚卸資産の評価を総平均法としているため、住友化学や三井化学(後入先出法)と比べ、前期末の高値在庫の影響が大きい。
なお、2008年3月期決算時の予想によると、鹿島の事故関連は、本決算では保険金の入金で益となっている。
鹿島事故損失予想(億円)
2008/3 2009/3 合計 科目 減産、減販、代替品調達 - 82 -55 -137 営業損益 プラント停止・低稼働 -20 - 20 営業外費用 - 30 - 30 特別損失 合計 -112 -75 -187 保険金 140 140 営業外収入 差引合計 -112 65 - 47
ヘルスケア増益は、2007年10月1日に田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併し「田辺三菱製薬」になった影響による。
田辺製薬が存続会社だが逆取得の形をとったため、2008年3月期は三菱ウェルファーマの中間決算に田辺三菱製薬の下期を加えたものとなっている。
比較のため、田辺製薬の2007年上期を加算すると以下の通りとなる。
連結決算 単位:億円(配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当 中間 期末 08/3 田辺 上期 938 184 192 99 13.0 田辺三菱製薬 3156 540 544 220 ( 7.68) 13.0 年間ベース 4094 725 736 319 13.0 13.0 09/3 4148 717 726 265 14.0 14.0 増減 53 -8 -11 -54 1.0 1.0
特別損益は以下の通り。(億円)
08/3 09/3 増減 特別利益 田辺合併 持分変動利益 1,181 その他 52 148 合計 1,233 148 -1,085 特別損失 投資有価証券評価損 1 115 減損損失 19 114 薬害肝炎訴訟損失引当 95 88 原材料仕入契約解約損 50 田辺合併関連 49 鹿島事故に伴う低稼働損失 30 その他 150 202 合計 344 569 225 差引 889 -421 -1,310 減損損失には、停止が決まったヴイテックのPVC設備(水島、川崎:45億円)や黒崎のカプロラクタムやナイロン設備(27億円)などが含まれる。
薬害肝炎の給付金については、負担割合が決定し、見込み額が200億円となったため、当期に88億円を特別損失に追加計上した。
なお、同社の場合は、繰延税金資産の取り崩しは行っていない。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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