東レ、帝人、三菱レイヨン、チッソ
東レ
全分野で大幅減益となった。但し、すべてで営業利益を確保した。
連結決算 単位:億円(配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円)
08/3 09/3 増減 上期 下期 繊維 214 77 -137 62 14 プラスチック・ケミカル 207 41 -166 82 -41 情報・通信機器 298 98 -199 96 2 炭素繊維複合材料 181 84 -97 56 28 環境・エンジニアリンク 98 33 -65 2 31 ライフサイエンスその他 63 32 -31 8 24 全社 -25 -4 21 -3 -1 合計 1034 360 -674 303 57
特別損失で、減損損失(123億円)、投資有価証券評価損(138億円)、関係会社事業損失(57億円)などを計上、ネットの特別損益は前期の129億円の損失から403億円の損失に、274億円の悪化となった。
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帝人
合成繊維、化成品(PETフィルム、PC)が大幅減益となった。合成繊維は営業赤字。
次期予想は未定としている。
連結決算 単位:億円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円)
08/3 09/3 増減 上期 下期 合成繊維 244 -28 -272 41 -69 流通・リテイル 53 39 -14 20 19 化成品 202 2 -200 39 -37 医薬医療 217 248 31 107 141 IT・新事業 35 36 1 5 31 全社 -100 -118 -18 -61 -57 合計 652 179 -473 151 28
成長SBU
積極的資源投入安定収益SBU
安定収益と
キャッシュ・フロー確保再建SBU
抜本策による再建実施合成繊維 パラアラミド繊維、
炭素繊維、PEN繊維ポリエステル繊維 化 成 品 ポリカーボネート、
PENフィルム、
PEN樹脂ポリエステルフィルム、
ポリエステル樹脂医薬医療 医薬医療 流通・リテイル 流通・リテイル IT IT
繊維はポリエステル繊維が赤字拡大、高機能繊維も大幅減益となった。
化成品もPETフィルムが減益、PC樹脂は赤字転落。
他方、医薬医療は増益となった。
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三菱レイヨン
各部門とも大幅な減益となったが、アクリル繊維が大きな赤字に転落した。
連結決算 単位:億円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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同社は2006/3より、退職給付会計における数理計算上の差異の処理方法を、定額法償却での営業外費用処理から発生の翌年度に営業費用として一括償却する方法に変更した。
これまでの実績は以下の通りで、2007年3月期は株価高騰で大幅益となったが、その後は損失となっており、当期は前期比で38億円の損失増となった。
2006/3 933百万円の損 2007/3 14,209百万円の益 2008/3 2,050百万円の損 2009/3 5,899百万円の損
これが営業損益におおきな影響を与えるため、これを除外すると、以下の通りとなる。
業損益対比(億円)
08/3 09/3 増減 上期 下期 化成品・樹脂 236 44 -192 52 -9 アクリル繊維・AN 10 -91 -101 -29 -62 炭素繊維・複合材料 113 19 -95 25 -6 アセテート・機能膜 36 10 -26 10 0 全社 0 1 1 1 0 合計 396 -17 -413 60 -77
アクリル短繊維は、安価な他素材へのシフトが進み、世界的な需要減退が一層深刻となった。
このため、インドネシアの紡績会社ボネックスインドネシア社の売却による紡績事業からの撤退、日本での原綿生産能力の大幅縮小を実施するとともに、中国の寧波麗陽化繊有限公司の抜本的改革を進めることを決定した。
特別損失には 減損損失(113億円)、投資有価証券評価損(132億円)などのほか、インドネシアでの紡績事業撤退に伴う損失見込額(43億円)と中国での原綿生産事業の構造改革に伴う損失見込額(37百万円)を事業整理損失引当金に計上した。
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チッソ
減益とはなったが、特別損失に水俣病補償損失(37億円)、公害防止事業費負担(8億円)、減損損失(5億円)などを計上した上で、税引後損益で30億円の黒字を確保した。
次期でも黒字を見込む。
連結決算 単位:億円 | |||||||||||||||||||||||||
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チッソは2000年3月決算で債務免除益 635億円を計上した。
2006/5/1 水俣病50年
最近の特別損失は以下の通り。(億円)
06/3 07/3 08/3 09/3 水俣病補償損失 -43 -42 -40 -37 公害防止事業費負担 -15 -9 -8 -8 固定資産処分損 -6 -1 -3 減損損失 -121 -5
2009/3/末の未処理損失は 1,139億円で、資本金 78億円に対し、資本勘定は -966億円となっている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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