2009年度鉄鉱石価格

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Rio Tinto は5月26日、子会社のHamersley Iron の新日鉄との豪州産鉄鉱石価格交渉が決着したと発表した。4月1日から適用される。

粉状鉱の価格を前年度比 33%値下げすることで合意した。世界的な景気後退による鋼材需要の減少を受けたもので、値下げは7年ぶり。BHPビリトンなど他の資源大手とも同程度で合意する見通しで、鉄鋼業界全体では3000億円程度のコスト軽減につながる。

価格推移(単位:cent/dry metric ton unit
  2007 2008 2009 2008 2007
Pilbara Blend Fines粉状鉱   80.42  144.66   97  -33%  +21%
Yandicoogina Fines粉状鉱   80.42  144.66   97  -33%  +21%
Pilbara Blend Lump塊状鉱  102.64  201.69  112  -44%   +9%

dry metric ton unit は含有鉄分1%当たりの鉄鉱石価格。
豪州産ヘマタイト系鉄鉱石には通常、鉄分
64%程度が含まれている。

 これで換算すると、粉状鉱の価格は実量ベースで、
  2007年 51.5ドル/トン
  2008年 92.6ドル/トン
  2009年 62.0ドル/トンとなる。

取引の大部分を占める粉状鉱でみると、昨年比では33%の値下がりだが、一昨年との対比ではまだ21%も高い。

昨年11月には、オーストラリア資源中堅のMount Gibson Iron が中国鉄鋼大手の首鋼集団と1トン当たり40米ドルで鉄鉱石(塊状、粉状とも)の売買契約を結んだと伝えられた。同社は数社から1012月期の出荷見合わせを要請され、11月に入って3社から契約破棄を通告されたという。

付記

中国鋼鉄工業協会や中国の鉄鋼会社にとっては受け入れがたい値段で、中国鋼鉄工業協会は緊急会議を開き、対策を協議している。

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原料炭については鉄鋼業界はBHP Billliton との間で、豪州の強粘結炭 Goonyella炭価格を2007年の98ドル/トンから2008年には300ドル/トンに上げたが、2009年度については3月に128ドル/トンとすることで合意している。(2003年度は46ドル)

鉄鉱石と原料炭の値下げを合わせると、業界全体で年間約9000億円程度のコスト軽減が見込めるとされている。
鋼材1トン当たりで1万5千円前後となる。新日鉄とトヨタは2009年度の鋼材価格交渉で1トン当たり約1万5千円の値下げで合意したと報じられている。


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