Frank Pallone 下院議員を初めとする米国の議員27人が6月17日、Union Carbide を買収して引き継いだダウに対してBhopal 事件被害者の救済を要請した。
ダウのCEO のAndrew Liveris に対するレターで
・インドで行われている Bhopal 事件の裁判に代表を送ること、
・生存者の医療及び経済的救済の要求に応じること、
・工場周辺の土壌と地下水汚染を洗浄すること
を求めた。
Bhopal 事件は人類の歴史の中で最悪の産業災害と見られているが、災害は続いており、悪化している。1984年12月の事故で3,500人以上が死んだが、その後後遺症で更に15,000人が死亡し、今も毎月15人以上が死んでいる。インドでも米国でも汚染者が環境被害の責任を負うべきだとしている。
当時のUnion Carbide の会長は米国に逃げ戻った。
1992年のBhopal 地裁の召還にダウは応じていない。
これに対してダウは、Union Carbide が1989年に生存者や遺族に分けるためインド政府に470百万ドルを支払ったことで責務は完了しており、またそれ以降現地で操業をしていないとしている。
しかし、現地では金額は低過ぎ(当初のインド政府の要求は30億ドル)、またガス漏れや事故の前の公害の後遺症に対して考慮されていないと反論している。
また、ダウが2002年にUnion Carbide のアスベスト被害者に22億ドルを出したのと比較し、double standards との批判が出ている。
2008年にも米国下院の16名の議員もインドのSingh 首相に、この運動を支援するレターを出している。
2008/6/25 Bhopal 事件のその後
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今回の動きには Bhopal Group for Information and Action (BGIA) の運動が影響を与えている。
BGIAは米国の国務省や司法省の役人や知識人、政治家にアピールするため、16歳の2人の被害者女性Safreen Khan と Sarita Malviya を派遣、4月21日から43日間 New York、Washington D.C.、San Francisco その他を回っており、Pallone 議員らとも会見した。
会見した多くの人がこの事件に強い関心を寄せている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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