イランのMehr Petrochemical 完成

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伊藤忠が出資するイランのMehr Petrochemical は、Assaluyeh地区Pars Special Economic Energy Zoneで230百万ドルを投じ、高密度ポリエチレン年産30万トンプラントを建設していたが、5月に試運転を開始、現在はフル稼働をしている。

6月25日、Mahmoud Ahmadinejad大統領、Gholam-Hossein Nozari 石油相が出席し、竣工式を行った。

日本企業が参加する石化事業としては過去24年間で初めてのもの。

イラン・ジャパン石油化学(IJPC)は1989年10月に精算で最終合意し、1990年2月に清算が完了した。

2006/3/28 イラン・ジャパン石油化学(IJPC)の歴史-2

Mehr Petrochemical はイランの国営石油会社(NPC)が40%、日本/タイの合弁投資会社  Alliance Petrochemical Investment (Singaore)が60%を出資している。
投資会社には伊藤忠が約20%、タイのCementhai Chemicals が約63%、タイのナショナルペトロケミカル(NPC)が約17%を出資している。
NPCはその後、TOCと合併してPTTケミカルとなっている。)

タイの2社は原料立地の観点からHDPE事業の立地を中近東に求め、伊藤忠の紹介でNPCと交渉を行ったもの。

2005年6月に三井造船と三井化学が共同で建設を受注した。

三井化学は高密度ポリエチレン製造技術(CX技術)を供与し、三井造船は製造プラントの基本設計、機材の調達及び製造プラントの建設指導を行い、イラン国内の大手建設会社Rehabilitation & Maintenance of Petrochemical (RAMPCO) とコンソーシアムを形成してRAMPCOにイラン国内の機材調達および製造プラント建設工事を担当させた。

Cementhai Chemicals のタイの3系列のHDPEプラントは、いずれも三井化学が技術をライセンスし、三井造船が納入している。

また、国際協力銀行は2005年8月、ドイツ銀行東京支店とスタンダードチャータード銀行東京支店との協調融資で、同プロジェクトに総額約5,900万ドルを限度とする貸付契約(バイヤーズ・クレジット)に調印している。

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2006年6にバンコクポスト紙は業界筋の情報として、米国がイランの核問題を理由に本計画の中止を求めていると報じた。
「サイアムセメントや伊藤忠が米国から計画中止の圧力をかけられており、計画が遅れている」とした。

伊藤忠は2005年の発表時に、「本事業に際し、昨今のイランを取り巻く状勢を鑑み、米国の専門家とも内容を慎重に検討し、本事業が大量破壊兵器やテロに繋がる可能性あるいは米国の法律(ILSA等)に抵触する可能性が無い事を検証しており、案件の透明性・健全性を確立致しました」としていた。

本計画には世銀グループMultilateral Investment guarantee Agency (MIGA)が保険を付与している。契約不履行による出資・融資リスクに対し15年間の保証で、タイ側には戦争や内紛のリスクもカバーしている。

2006/6/20 伊藤忠のイランHDPE計画に米国の圧力?

2005年の発表時に本プラントの完成および生産開始は2008年の予定としていたが、若干の遅れで実現した。

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式典で石油省副大臣は次のように述べた。

現在、150億ドルを投資した24の石油化学計画が建設中である。
第5次5カ年計画の完了時(2015年)には合計250億ドルを投資する46の新しい石油化学計画が完成する。

2004年度(2005/3終了)の石油化学製品の輸出は32億ドルであったが、2008年度には82億ドルに増えた。

本計画に続き、近いうちに Arya Sasol Petrochemical の竣工式が行われる。

これは「オレフィン No.9」と称されるもので、NPCと南アのSasol の50/50JVである。
Mehr Petrochemical
と同じく Pars Special Economic Zoneにあり、エチレンが140万トン、MDPE/HDPEが30万トン、LDPEが30万トンとなっている。

投資額は13.5億ユーロで、2002年に建設を開始した。

 


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