バイオガソリン販売開始

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新日本石油は6月1日、関東1都6県のガソリンスタンド(計861カ所)で、バイオエタノールを混ぜたバイオガソリンの販売を開始した。

コスモ石油も513日から埼玉、千葉、東京、神奈川の9カ所のセルフスタンドで販売を開始している。

石油業界では2010年度でのバイオガソリン本格導入を計画し、2007年度から2年間にわたりバイオガソリン販売の実証事業を行ってきた。(実証事業は2009年3月末をもって終了)
実証事業ではETBE 7%(エタノール3%)含有のバイオガソリンであったが、今回は
ETBE 1%エタノール 0.4%)になっている。

2009/3/5  日本のバイオガソリンの動き-2 

新日本石油では以下の通り説明している。

バイオガソリンは、JIS及び品質確保法の規格に合致したレギュラーガソリン(JIS2号ガソリン)ですので、従来のレギュラーガソリンとまったく同じ使い方が可能です。
車検証や取扱説明書に「レギュラーガソリンを使用する」と書かれていれば、バイオガソリンを給油することができます。
   
バイオガソリンは、レギュラーガソリンの規格に当てはまるため、使用方法や取り扱いについては従来と変わりません。よって従来のレギュラーガソリンと混ぜたとしても、性能面、安全面において問題ありません。
   
現在価格はレギュラーガソリンと同価格に設定されており、 レギュラーガソリンと同じ価格でお求めになれます。
   
バイオガソリンは、従来のレギュラーガソリンと比較しても燃費は殆ど変わらないと考えられます。

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別途、日本エタノール販売とペトロブラスの50/50JVの日伯エタノール(Brazil-Japan Ethanol)は3月初めから東京でエタノール3%混合ガソリン(E3)の試験販売を開始した。環境省や経産省の支援を受けている。

既報の通り、石油連盟は、(1) 大気環境に悪影響を及ぼさないこと、(2) 車の安全性や実用性能を損なわないことに鑑み、バイオエタノールをそのままガソリンに混入するのではなく、バイオエタノールからETBEを製造し、これをガソリンに混合することとした。

しかし、本当の理由は、E3(更にE10やE20、E100)が普及した場合、将来的にガソリンの消費量が減って、石油元売り各社の経営が苦しくなるからだという見方もある。

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新日本石油の西尾進路社長が毎日新聞のインタビュー(2009/6/1 「環境戦略を語る」)でバイオ燃料について大胆な発言をしている。

日本では大量生産できないのでブラジルから船でCO2をまき散らしながら持ってくる。サトウキビをトラクターで刈り、工場にトラックで運び、工場でもCO2を排出する。温暖化問題上とんでもない話だ。

世界で10億人が飢餓に苦しむ中、食糧をエネルギーに変えていいのかという問題もある。

こうした状況を 踏まえ、食糧と競合しないセルロース系のバイオエタノールの研究を、トヨタ自動車や三菱重工など5社とともに進めている。

新日本石油、三菱重工業、トヨタ自動車、鹿島建設、サッポロエンジニアリング、東レの6社は本年2月9日、セルロース系バイオエタノールの一貫製造技術に関する研究開発を開始するため、「バイオエタノール革新技術研究組合」を設立すると発表した。

原油と競合できる価格(40円/L)で、20万kL/年規模を生産できる製造プロセスの技術を 2015年までに確立することを最終目標とし、東京大学との共同研究や、農林水産関係研究機関、秋田県農林水産技術センター総合食品研究所、北海道大学等との連携により、画期的な革新技術の確立を目指す。

2009/2/12 シノペック、農業廃棄物からエタノール生産 後半部分


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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