6月11日のWTI原油価格終値は72.68ドル/バレルとなった。昨年10月下旬の水準。
一時73.23ドルと73ドル台を記録している。
国際エネルギー機関(IEA)が10ヵ月ぶりに09年度の世界石油需要見通しを上方修正したことが買い材料となった。
また、米小売売上高(前月比0.5%増)や新規失業保険申請件数(前週比2万4000人減少)が改善したことも追い風となった。
IEAは6月11日の石油市場月報で、2009年の世界の石油需要の予測を日量8333万バレルとし、前月予測から12万バレル引き上げた。上方修正は、金融危機発生前の昨年8月以来10カ月ぶり。
但し、2008年と比べると2.9%の減少で「この見直しは景気回復を示すものではなく、落ち込みの緩和を反映したものだ」とした。
金融危機を予言したとして知られるNew York University のNouriel Roubini 教授は、来年には原油価格が100ドルに上昇するだろう、と述べた。
(但し、同教授は本年1月20日には「原油価格は2009年を通じて30~40ドルで推移するだろう」と述べている。)
米市場でインフレに警戒感が強まり、原油や金、穀物など商品市場への資金流入が加速している。
日本経済新聞によれば、米議会は原油在庫などに関する情報開示規制を強化する方向で検討に入った。
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日本市場でもナフサ、原油価格は急上昇している。
6月12日にはいずれも本年の最高となった。
これを受け、石化メーカーは一斉に値上げを打ち出している。
各社とも、国産ナフサ基準価格が第3四半期に40,000円/kl 程度(1Q比 +13,000円)に上昇すると推定している。
2008 | 3Q | 85,800円/kl | |
4Q | 52,000 | ||
2009 | 1Q | 27,000 | |
2Q予 | 33,000 | ||
3Q予 | 40,000 |
6月12日の615$/t は95円/$ベースで基準価格としては42,300円/kl となる。(8月入着)
各社とも7月1日以降出荷分について原料値上がり分の転嫁を発表している。
最近は輸出数量が増えているものの、国内出荷は低迷しており、値上げは難航するだろう。
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