Saudi Aramco は延期していたフランスの Total との製油所建設の再開を決めた。
6月18日にJVのSaudi Aramco Total Refining and Petrochemical Company(SATORP) の工事の発注先を決めた。
当初120億ドルと予想された建設費は96億ドルとなった。
日産40万バレルのワールドクラスの製油所をJubail に建設し、Arabian Heavy 原油を精製して、高品質の石油製品を製造する。
ディーゼルとジェット燃料の生産を最大化することを狙っており、これに加え、パラキシレン(年産70万トン)、ベンゼン(同14万トン)、ポリマーグレードプロピレン(同20万トン)を生産する。
生産物は両社で分け合う。
主に輸出用だが、一部は国内で販売する。
2013年下期のスタートを計画している。
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Saudi Aramco とTotal は2008年5月14日、Jubail に日産400千バレルの製油所を建設することを発表した。
2008/5/22 中東で2つの大型製油所計画
2008年6月22日、両社は契約に調印した。
JV名はJubail Refining and Petrochemical Company(その後、Saudi Aramco Total Refining and Petrochemical Companyに変更)で、当初はSaudi Aramco 62.5%、Total 37.5%出資とし、2010年第4四半期に 25%分を公募し、両社は37.5%ずつとなる。
投資額は120億ドルと予想された。2012年末にスタートの予定であった。
しかし、両社は2008年11月末に、金融市場の不安定を理由に、Jubail の製油所計画の入札を延期すると発表した。
2008/12/10 サウジアラムコ、石油開発計画を延期
アラムコは本計画について本年末に発注先を決める予定であったが、建設費のダウンを受けて、日程を早めた。
発注は13のプロセスパッケージに分けて行われた。
フランスのTechnip がConversion unit(17億ドル)とオフサイト・用役部分(13億ドル)を受注、後者については台湾のCTCI と分け合う。
スペインのTecnicas Reunidas はDistillation とHydrotreating unit (12億ドル)を受注した。
このほか、韓国の大林産業、SKエンジニアリング、Samsung、千代田化工、住友商事などが受注したと伝えられている。
日本経済新聞によれば、千代田化工はSamsung と共同で重質油を分解処理するCoker unit を受注した。
なお、Saudi Aramco は本計画に続き、Yanbu での第二の100億ドル強の輸出用製油所への入札を行う予定。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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