LG Chem は7月16日、2009年第2四半期の業績を発表した。
前期(第1四半期)比でも前年同期比でも増収増益となっている。
参考 2009/5/22 韓国LG Chem の業績
同社は二次電池、液晶ディスプレー用部品を生産する情報電子素材部門が需要期に入っていることから、7-9月期も好業績を達成可能とみている。
日本や欧米、SABICまでもが本年は前年比で大幅減益となるなかで、石油化学が中心の同社の好業績は目立つ。
単位:10億ウォン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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連結売上高
ナフサの大幅値下がりによる売価ダウンで石油化学が前年同期比ではマイナスになっているが、情報電子材料部門の増収により、全社では前年同期比でも増収となった。
後記の通り、ウォン安も影響している。
(NCC/PO はナフサ分解製品/ポリオレフィン)
連結営業損益
増収とウォン安の影響で大幅増益となった。
同社では石油化学の業績について、下記の通り分析している。
・中国の景気刺激策による需要増
「家電下郷」策でABSの需要が増加、利益率も向上
・中東の新設遅れによるポリオレフィンの需給逼迫
・中国のカーバイド法PVCのコスト競争力低下、北米の減産でPVC価格がアップ
・自動車の回復で合成ゴムの利益率向上
・アクリル酸/可塑剤が需給バランス維持で堅調
<見通し>
・原油や資源価格のアップで製品価格維持
・中東や中国の新しいポリオレフィンは影響が限られる。
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前期比で大きな影響を与えているのがウォン安である。
2008年の8月までは1ドル=1000ウォン前後で推移していた。
8月末ころから下落に転じ、一時は1600ウォンに近づいた。
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なお、LG Chem は上記の発表の際に、大山のナフサクラッカー実質 80万トン(公称76万トン)を10万トン増強する計画があることを明らかにした。近く正式決定する。
同社はまた、麗川の90万トンのクラッカーを増設中で、2010年4月に100万トンとする。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
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