ダウ、石化事業のリストラを継続、藻からのバイオ燃料計画に投資

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ダウは6月30日の取締役会で石化事業のリストラ計画を承認した。

今回のリストラ計画は、状況の変化に応じ、素早く積極的に製造体制を見直すというダウの方針に基づくものであるとともに、機能製品や先端材料分野に優先的に投資するという変身戦略にも合致するものとしている。

今回の設備停止で年間1億ドルの節約となる。(特別損失としては7億ドルを計上する)
ダウはRohm and Haas との合併で13億ドルのシナジー効果を出すとしている。

今回、下記の設備を停止する。

  立地 能力
エチレン Hahnville, Louisiana  409千トン
EO/EG Hahnville, Louisiana  385/330千トン
EDC/VCM Plaquemine, Louisiana  970/590千トン

同社では昨年、以下の設備の停止を発表している。

  立地 能力
EPDM Seadrift, Texas  
LDPE(The Poly 2 line) Freeport, Texas  100千トン
塩素化ポリエチレン Plaquemine, Louisiana  
Styrene monomer Freeport, Texas  

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ダウは6月29日、Algenol Biofuels, Inc.と共同で藻からバイオ燃料をつくるパイロットプラントを建設・運営すると発表した。

同社の Freeport, Texas に建設する。

Algenol の技術はCO2、海水、日光、非耕作地を使用してエタノールをつくるというもの。
ダウと、
National Renewable Energy LaboratoryGeorgia Institute of TechnologyMembrane Technology & Research, Inc. が技術や知見を提供する。

Algenol は藻類の細胞からエタノールを取り出す技術を開発した。藻類を乾燥・加圧してバイオディーゼル用の油を抽出するというコストのかかる工程を省略できる。

ハイブリッドの藻をシールした透明なプラスチック製の光バイオリアクターに入れ、 Direct to Ethanol(TM) 技術で日光とCO2と海水から低コストでエタノールを生産する。  光合成と天然の酵素の働きで糖分を直接エタノールに変換する。

コーンではエーカー当たり年間 400ガロンのエタノールが取れるが、Algenol 技術では6,000ガロンが取れるという。
2009年末にはこれを10,000ガロンにアップする計画で、将来は20,000ガロンまでアップする。

 


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