中国企業、海外の鉄鉱石にも進出

| コメント(0)

中国企業が世界の鉄鉱石会社に相次ぎ出資している。

豪州の資源会社 Emergent Resources7月3日、西豪州のBeyondie Iron project の開発のため、中国冶金科工(China Metallurgical Investment)とJVを設立すると発表した。

同鉱山は当面、年間300万トンの磁鉄精鉱生産を目標としているが、JVで2億豪ドル(159百万米ドル)を集める。

Emergent はまた、中国冶金科工に対し新株860万株(@45セント、387万豪ドル)を発行、490万株(@27セント、116万豪ドル)のオプションを与える。増資資金はBeyondie Iron project の運転資金になる。

Emergent は西豪州に下記の権益を有している。

Beyondie Iron Project 磁鉄鉱
Glengarry Mt Bartle Project base metals
North Pool Project base metals, gold
Diamond Well Project base metals
Rainbow Bore, Clarrie Well and Fenceline base metals, uranium
Mt Narryer Project gold, uranium
Marble Bar Project gold, copper
Paterson / Rudall River Project gold, copper, uranium

 

   ---

中国冶金科工は2008年8月にCape Lambert Iron Ore Ltd. から4億豪ドルで同社のCape Lambert Iron Ore Project を買収している。

Cape Lambert Iron Ore Project は西豪州の Pilbara 地区のプロジェクト。

看板鉄鉱石プロジェクトを売却し4億豪ドルを取得した Cape Lambert は、新たな買収の機会を探っている。

ーーー

Cape Lambert の南西のCape Preston では香港のCITIC Pacific の子会社のCITIC Pacific Mining Management が35億米ドルの鉄鉱山開発を行っている。これには中国冶金科工が20%を出資している。

20億トンの磁鉄鉱を開発し、高グレードの磁鉄精鉱とペレットを25年間、毎年27.6百万トンを輸出する計画。

これに加え、40億トンの鉱山の権利を得るオプションを持っており、その場合、年間生産量は70百万トンに達する。

ーーー

鞍山鋼鉄集団(AnSteel )は6月25日、豪州の鉄鉱石生産会社Gindalbie Metalsヘの出資比率を12.6%から36.28%に高め最大株主になることについて中国政府の承認を得た。昨年8月にGindalbie Metalsから提案のあったもので、Gindalbieの株主総会は本年2月にこれを承認している。

Gindalbie は新株発行で162百万豪ドルを集める。

この後、両社は144百万豪ドルずつを西豪州のKarara iron ore project 開発のための50/50 JV(Karara Mining Limited)出資する。
両社による出資総額
はこれで534百万豪ドルとなる。

残りの開発資金(12億米ドルまで)は中国開発銀行によるプロジェクトローンで賄われる。

Karara は2010から年間10百万トンの鉄鉱石を生産する。磁鉄鉱工が800万トン、赤鉄鉱が200万トンとなっている。

ーーー

中国鉄鋼大手の武漢鋼鉄集団(Wuhan Iron & Steel )は本年6月、ブラジルの鉄鉱石生産会社 MMX(Mineração e Metálicos S.A)グループに9.09%(120百万米ドル)を、MMX の子会社 MMX Sudeste に23%(280百万米ドル)を出資することを提案、MMX側も「武漢の提案を受諾する方向で進める」と表明した。

武漢はMMXへの9.09%の投資を通じ、実質的にMMX Sudeste 30%を出資することとなる。
これは、MMX
の借入金返済、Sudesteの開発、拡張の資金となる。

MMXは現在、2つの子会社MMX Corumba and MMX Sudesteで操業している。
MMX Sudeste Minas Gerais州で2つの孫会社 AVG Minerminas で操業している。

   ---

カナダのConsolidated Thompson Iron Mines (CLM) 69日、武漢鋼鉄集団が同社に240百万米ドルを投資する契約に調印したと発表した。

武漢は105百万カナダドルでCLMの19.99%を取得する。
更に武漢は残額で 武漢25%/CLM75% 出資の
limited partnership を設立し、CLMBloomLake鉄鉱山(QC州)をこれに移管する。
この運営は
CLMが引き受ける。

武漢はBloomLake鉄鉱山の存続期間にわたり、毎年の生産物の出資比率分を市場価格で購入する義務を負う。
武漢はまた、
CLMの他の鉱山の生産物の長期引取権を一定条件で持つ。

なおCLMはより有利な提案があれば、200万ドルの解約料の支払いで解約する権利を持つ。

 


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ