臓器移植法改正案 成立

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参院は13日午後の本会議で、脳死後の臓器提供の年齢制限を撤廃し、本人の意思表示がなくても家族の承諾で提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)を賛成多数で可決、成立した。
賛成138票、反対82票、欠席・棄権は21人だった。

1997年の施行から12年ぶりの改正となる。

現行法の付則第二条の規定は以下の通り。

この法律による臓器の移植については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し、その全般について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとする。

採決は、A案修正案、A案、子どもの脳死臨時調査会設置法案の順で行われた。

現行法の脳死の定義を維持するA案修正案は先立って採決されたが、賛成72票、反対135票、欠席・棄権は34人で否決。
子どもの脳死判定基準などを議論する「子どもの脳死臨時調査会」の設置を盛り込んだ対案は採決されず廃案となった。

ーーー

衆院は6月18日の本会議で、臓器移植法改正案を採決し、原則「脳死は人の死」とし、臓器提供の拡大をめざすA案を賛成多数で可決し、参院に送付した。

2009/6/19 臓器移植法改正、A案が衆院通過 

参院では衆院から送られたA案に加え、参院で提出された修正A案、子どもの脳死臨調設置法案の3案が審議された。

  現行法 A案 修正A案 子どもの脳死臨調
設置法案
脳死位置づけ 提供時に限り
人の死
人の死
(現行法規定削除)
         現行法と同じ
臓器提供の条件 本人の書面同意と
家族の同意
     家族の同意
     本人が生前に拒否可能
現行法と同じ
提供可能年齢 15歳以上          0歳以上 内閣府に「子ども脳死
臨調」を設置
その他 移植術を受ける機会は、
公平に与えられるよう配慮
親族への優先提供 提供者の家族への
精神的支援検討など
付則に明記
生体移植のルール検討

自民、公明、民主の有志議員は7月7日、現行法の通り「脳死は臓器提供の場合のみ人の死」とするA案の修正案を、参議院に提出した。

野党議員有志は6月23日、A案の対案として、子どもの脳死臨調設置法案(子どもに係る脳死及び臓器の移植に関する検討等その他適正な移植医療の確保のための検討及び検証等に関する法律案)を提出した。

・脳死の定義を現行法と同様に臓器摘出時に限って人の死とする
・子供からの臓器摘出の課題を検討する「子どもの脳死臨調」を内閣府に設置する。
 検討するのは
 (1)子供の脳死判定基準
 (2)本人の意思確認や家族の関与
 (3)虐待された児童からの臓器摘出防止策--など。
 法施行後1年以内に結果をまとめ、首相に意見を述べる。

法律案を提出する理由として以下のように述べている。

臓器の移植及びこれに使用されるための臓器の摘出が人間の尊厳の保持及び人権の保障に重大な影響を与える可能性があること等にかんがみ、子どもに係る脳死及び臓器の移植に関する検討並びに当該検討に係る臨時子ども脳死・臓器移植調査会の設置について定めるとともに、適正な移植医療の確保のための検討及び検証等について定める必要がある。

 


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