6月の石化製品の生産や出荷実績が発表された。
1)エチレン
6月は三菱化学の鹿島1号機と水島、三井化学の千葉の2社3プラントで定修があったため生産量は前年比3.0%減の555,400トンとなった。
平均稼働率は95.6%となり、昨年7月以来11ヶ月ぶりに採算ラインとされる95%を上回った。
昨年の下期以降、稼働率は下落が続いていたが、この3ヶ月上昇が続いている。
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2)ポリオレフィン
いずれも年初には輸出が増大したが、最近は輸出は若干減少している。(なお高水準にある)
しかし、国内出荷が6月に前月比2桁の増加となり、内需込みでほぼ前年並みにまで回復した。
2)PS、ABS、SM
同様に、PS、ABSともに内需は増加している。
PSは安価な輸出を控える姿勢をとっているが、海外進出メーカー向けが中心のABSの輸出は増加している。
SMの生産増は輸出の増加に依存するところが大きい。
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ポリオレフィン、スチレン系を含め、6月の内需増が今後も続くのか、又は一時的なものなのか、今後が注目される。
石化協会長は「中国の内需拡大が牽引役だが、中国の対米輸出が回復しておらず、先行きは慎重にみる必要がある」としている。
参考 2009/6/29 中国の現状
3)PVC、VCM
PVCは住宅着工件数の減少が続いている影響などで、内需は減少を続けている。(6月は若干増加)
本年に入り増加に転じた輸出も、このところ減少に転じており、余剰能力は拡大している。
VCMの輸出も同様。
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