ASEANとインド、FTA締結

| コメント(0)

ASEANとインドは813日、バンコクで経済閣僚会議を開き、自由貿易協定(FTA)に署名した。
約17億人の人口を抱える巨大な「自由貿易圏」が誕生する。

ASEANとインドとのFTA交渉は2004年にスタートしたが、インド側が1,414もの除外品目を要求し、交渉が長引いていた。

協定の発効は2010年1月。約5,000の貿易品目のうち、71%の品目について2013年までに関税を撤廃、 9%を2016年までに撤廃する。
16年までに関税を撤廃するのはテレビやプラスチック製品、ゴム製品、宝石・貴金属類など。

カーエアコンなどの自動車部品やセメント、オートバイなどの "Sensitive goods" 約350品目は16年までに関税を5%に引き下げる。
紅茶、コーヒー、ペッパー、天然ゴムもこれに含まれており、農民は関税引き下げがASEANからの輸入につながると懸念している。

インドが産業保護を主張した自動車、エビや魚、熱延鋼板など489品目("Very sensitive goods")は関税撤廃の対象から外した。
うち農業関連が302、繊維が81、機械・自動車関連が52、化学製品が32となっている。

ラオスやカンボジアなど後発加盟4カ国には5年間の猶予がもうけられた。

ASEAN・インド間の2008年の貿易額は474億ドルだが、ASEANでは、協定発効の効果で2016年に600億ドルに拡大すると見込んでいる。

日本企業にとっても、ASEAN地域で組み立てた家電製品などをインドに輸出するだけでなく、自動車部品などはASEAN・インドの双方の拠点で融通する体制を敷くことが可能になる。

ーーー

ASEAN と各国のFTA締結状況は以下の通り。

日本:2008年12月1日、包括的経済連携(AJCEP)協定発効
     2007/11/29 
日本とASEANの包括的経済連携協定の交渉妥結

中国:2005年7月1日、FTA発効
    2007年サービス分野発効、2008年投資分野合意

韓国:2007年6月1日、FTA発効
    2009年サービス分野発効、投資分野合意
 

豪州・ニュージーランド:2009年2月27日、ASEAN・豪州・ニュージーランド自由貿易協定(AANZFTA)に調印

ーーー

なお、インドと韓国は8月7日、包括的経済連携協定(CEPA)に正式署名し、発効後8年以内に、輸入額の8割前後の品目で互いに関税を撤廃する。

2009/8/8 韓国とインド、包括的経済連携協定を締結

 


* 総合目次、項目別目次
 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

コメントする

月別 アーカイブ