中国石油天然気集団(CNPC)はイラン国営石油(NIOC)との間で南アザデガン油田の開発に関する覚書を締結した。
油田の70%の権益を取得し、開発費用の90%を負担する。
ーーー
2004年2月、国際石油開発(インペックス)はイラン国営石油との間でアザデガン油田の評価・開発に係わる契約に調印した。
インペックスとイラン国営石油子会社NICOが、それぞれ75%と25%の参加権益で、アザデガン油田の開発を行うこととなった。
その後、イランの核問題は解決のきざしが見えず、開発に着手出来ない状況が続いた。
インペックスはイラン側が約束した油田の地雷除去を終えていないことが遅れの主因と主張したが、イラン側は地雷除去は96%終わっており、作業に問題はないと反論し、同社に与えた開発権を取り消し、イラン政府が引き取るとし、早期着工を促した。
2006年、インペックスとイラン政府は、インペックスが保有する75%の開発権のうち65%分をイランの国営石油会社に譲渡し、インペックスの開発権は10%とすることで合意した。
イランの核開発に反対する米国に配慮する一方、懸念されていた全面撤退は当面避け、同油田からの原油輸入に道を残した。
2006/10/9 アザデガン油田の開発権引き下げでイランと合意
2008/10/31 小説 「エネルギー」
ーーー
その後、NIOCの方針で北アザデガン油田と南アザデガン油田に分けられた。
2009年1月、CNPCは北アザデガン油田開発の契約を締結した。石油埋蔵量は60億バレルとされる。
投資予想額は17.6億米ドル。新しいBuy- back 方式によるもので、開発後は油田の操業はNIOCに渡され、CNPCは投資の回収のため一定期間、石油で支払いを受ける。
開発、回収期間は12年とされている。
今回はメインの南アザデガン油田の開発で、NICOが90%、インペックスが10%の権益を持つが、CNPCはNICO持分のうちの70%分を買収する。買収後の権益は、CNPC 70%、NICO 20%、インペックス 10%となる。埋蔵量は332億バレル。
開発費用は25億ドルと予想され、このうち90%をCNPCが負担する。
第一段階で日量15万バレル、第二段階で11万バレル、合計26万バレルの石油生産を予想している。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
コメントする