本日の日本経済新聞はトップ記事で以下の通り報じている。
SABICとのMMAモノマーJVに三菱レイヨンが50%以上を出資
投資額は500億円以上
年産能力は20万~25万トン
三菱レイヨンが買収したルーサイトのエチレン法
2013年の稼動を目指すSABICがルーサイトに10~20%出資
付記
三菱レイヨンの中期計画見直し(8月7日発表)では、モノマー 25万トン、成形材料 4万トンとなっている。付記
三菱レイヨンは8月10日、SABICとの業務提携を発表した。同日付でLetter of Intent を締結した。
50%ずつの出資でJVを設立し、ルーサイトの新エチレン法によるMMAモノマー(25万トン)、三菱レイヨン技術によるPMMA(3万トン)を建設し、2013年の稼動開始を目指す。
SABIC発表では投資額は10億ドルとなっている。
両社は今後もその他事業における業務提携の可能性を協議する。
なお、SABICによるルーサイトへの出資については何も述べていない。
本プロジェクトはSaudi International Petrochemical Company (Sipchem) がJubailでの第三期として計画していたもの。
エチレン100万トンのコンプレックスで、このうち、MMA 25万トンはルーサイトから、ANM 20万トンはルーサイトの株主のIneosから技術を導入することとなっていた。
Sipchemは一時、Ineos に出資を打診している。
その後、同社は2008年6月にエチレン、PE、PP計画を取り止めた。
本年5月9日、サウジのSABICとSipchem は、それぞれの新計画の実施に当たり、互いに既存の余剰能力を出して協力する覚書に締結した。
当初Sipchemが第三期計画で計画していた誘導品のうち、ポリ酢酸ビニルとエチレン酢ビ以外はSABICが実施する。
MMA計画はSABICに移った。ANMについては旭化成がSABICとJVの交渉をしていると伝えられている。SABICはSipchemに割り当てられた原料エタンをSABIC子会社でエチレンにして供給する。
SipchemはSABICにMMA生産用の一酸化炭素を供給する。
(ルーサイト法ではエチレン、メタノール、一酸化炭素を原料とする。)
2009/5/11 サウジのSABICとSipchem、新プロジェクトで相互協力の覚書
SABICのルーサイトへの出資は全く新しい情報である。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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