韓国とインド、包括的経済連携協定を締結

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韓国とインドは8月7日、包括的経済連携協定(CEPA:Comprehensive Economic Partnership Agreement)に正式署名した。
発効後8年以内に、輸入額の8割前後の品目で互いに関税を撤廃する。

インドと同様の交渉を進める日本に先駆けての締結になった。

インドは国内手続きを終えており、韓国国会の承認を経て来年1月の協定発効をめざす。

現在、韓国がインドに輸出している5227品目のうち85%にあたる4459品目の関税が今後廃止または削減される。
対印輸出品目1位の自動車部品は、現行の12.5%から1~5%に引き下げる。これにより、インドでシェア2位の現代自動車の市場競争力はさらに向上するとみられる。
韓国産の冷蔵庫、カラー テレビは8年内に50%削減される。

インドから韓国への輸入は品目数ベースで93%、輸入額ベースで90%の関税が即刻または段階的に撤廃あるいは削減される。
ナフサ、鉄鉱石など原資材は関税が廃止される。

農水産品については、コメ、牛肉、冷凍太刀魚、冷凍ワタリガニなど一部敏感な品目は今回の交渉対象から除外し、CEPA発効後も現行の関税率が維持される。 

また、コンピューター専門家・英語補助教師・エンジニア・経営コンサルタントなど163の専門職種における人材移動を相互開放することで合意した。
インドで学士の学位を取得し、専門分野で一定期間の経験を積んだインドの人材が韓国企業に就職すれば、就労ビザ取得への門戸が開かれる。
コンピューター専門家や英語補助教師などインドが競争力を持つIT人材の韓国への進出が拡大する可能性がある。
インドは商品市場では競争力が劣るため、FTA交渉開始当初から人材市場の開放を強く要求していた。

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韓国外交通商部は他のBRICs諸国との自由貿易協定について、以下の通り述べている。
・中国は産学官共同研究の大詰めの段階に来ている。
・ブラジルは南米共同市場4カ国(
Mercosurブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)と共同研究に取り組んでいるため、少し時間がかかっている。
・ロシアは、世界貿易機関(WTO)加入に向けた最後の段階に来ているため、その後に話し合う予定。

韓国は世界各国・地域との自由貿易協定(FTA)締結を積極的に推進中で、米国やEUともすでに合意している。
(いずれも未発効)

2007/4/4 米韓FTA妥結 

2009/7/14  韓国・EUFTA最終合意


* 総合目次、項目別目次
   http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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