染毛剤最大手のホーユーは9月24日、アドバンテッジパートナーズ、MKS パートナーズ、ユニゾン・キャピタルの3ファンドの共同出資会社から、クラシエホールディングス、クラシエホームプロダクツ、クラシエ製薬、クラシエフーズの発行済普通株式のうち60%を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。
残りの40%についても3年以内に取得することを基本方針としている。
株式取得額は100億円程度とみられ、約150億円の有利子負債も引き継ぐ。
ホーユーは一般消費者用ヘアカラーで国内シェア約40%を占めるトップメーカーだが、一般消費者用及び業務用ヘアカラー市場は成熟期に入っており、製品ラインナップの拡充等による更なる事業成長の機会を模索していた。
新たな成長機会を獲得するためにも、技術面、生産面、営業面それぞれに高い実力を備えたクラシエグループと共に事業を展開することが、必要不可欠であると考えたとしている。
クラシエグループの事業とホーユーの技術・研究開発力とが組み合わさることにより、以下のシナジー効果の創出を期待する。
①バリューチェーンの共同利用によるシナジー
ホーユー海外拠点・代理店の活用によるクラシエグループ製品の販売拡大
最適な物流・調達・生産体制の構築
②マーケティング活動の協働による成長機会の拡大
製品ラインナップの拡充
新規事業の開発
③薬品・食品事業におけるシナジー
製薬技術の化粧品及びヘアカラーへの応用
健康食品等への展開
3ファンドは、2回目の株式取得までの間、引続き事業運営ノウハウの提供、効率化施策の浸透、ガバナンスの強化等でクラシエグループの成長をサポートする。
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カネボウは2004年に経営危機に陥り、産業再生機構の支援で再建に取り組んだが、過去の巨額の粉飾決算が表面化し、上場廃止に追い込まれた。
産業再生機構はカネボウの非中核の多くの事業を整理・売却した後、カネボウ化粧品を花王に、ホームプロダクツ、製薬、フーズ事業を3社連合に譲渡した。
「カネボウ」の商号は花王が独占使用権を取得したため、残り事業は2007年7月に「クラシエ」に改称した。
2007/3/6 カネボウ・トリニティ、社名をカネボウからクラシエに変更
2007/7/1 ニュースのその後 カネボウ解散
今回ホーユーが株式の60%を取得する事業は以下の通り。
クラシエホールディングス:グループ経営戦略の策定・推進、経営管理・監督
クラシエホームプロダクツ:
トイレタリー商品(石鹸、洗剤、シャンプー、リンス等)関連商品、その他日用雑貨の製造、加工、輸出入
クラシエ製薬:漢方薬を中心とした医療用医薬品と一般用医薬品の製造・販売
中国にJV 青島華鐘製薬有限公司を設立し、生薬の産地指定から製剤原料(エキス粉末)生産までを行っている。
また、保健食品、医薬品、漢方エキス粉末等の販売会社 華鐘高科医薬(北京)有限公司(同社65%)を持っている。
クラシエフーズ:菓子、新規食品、アイスクリーム等の製造・販売
菓子部門:「甘栗むいちゃいました」や機能性ガム、おもしろお菓子「ねるねるねるね」など
海外商品部門: ミント系錠菓「フリスク」など
新規食品部門:カロリーゼロの健康機能食品「プルジュレ」など
冷菓部門:焼き菓子とアイスの複合や、生のフルーツとの加工、ヘルシーな豆乳を使用したアイスクリームなど
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ホーユーは1905年に家庭薬製造販売業「水野甘苦堂」として創業、1921年にはしらが染め「元禄」を発売、以来73年間のロングセラーとなった。
1923年に「株式会社朋友商会」を設立、1964年に「ホーユー株式会社」に改称した。
1957年に粉末しらが染め「ビゲン」、1971年に「ビゲンヘアカラー」を発売した。
現在の事業内容はヘアカラー・頭髪化粧品・家庭薬の製造、販売で、2008年(10/31決算)の売上高は409億円、経常利益は38億円となっている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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