ダウは9月10日、Freeport, Texas 工場のSMとエチルベンゼンプラントを年末までに停止すると発表した。
同地の小規模プラントは昨年末に停止している。ダウは能力を発表していないが、業界では合計で46万トンとみている。
ダウは6月30日の取締役会で下記の設備を停止する石化事業のリストラ計画を承認した。
立地 | 能力 | |
エチレン | Hahnville, Louisiana | 409千トン |
EO/EG | Hahnville, Louisiana | 385/330千トン |
EDC/VCM | Plaquemine, Louisiana | 970/590千トン |
2009/7/3 ダウ、石化事業のリストラを継続、藻からのバイオ燃料計画に投資
これにはU.S. Gulf Coast におけるエチレンの自給自足体制(縮小均衡)の確立という狙いがある。
エチレン需要を約30%減らし、他社から購入しているエチレン(年間約135万トン)をカットし、コストポジションを改善する。
今回のSM停止はこの一環となる。
ダウのSM供給を米国の需要に合わせるという狙いに加え、エチレン需要減を図る。
Freeport, Texas 工場ではSMはStyrofoam、latex、ABS の原料となっているが、長期契約によるSMの外部購入により原料を確保する。
DowとChevron Phillips Chemical は北南米のSM/PSの50/50JV Americas Styrenics を設立している。
(2009年5月1日営業開始)ダウは北南米のPSとブラジルのSM(2008/1/1に休止)を出したが、米国の3つのSMプラントはJVに出していない。
・Midland (Michigan):本拠地、事業上の理由で同社で保有
・Pevley (Missouri):同社事業とするStyrofoam の原料
・Freeport (Texas):Styrofoam、latex、ABS の原料2007/4/11 Dow、Chevron PhillipsとSM/PSのJV設立
JVの米国のSMソースはChevron Phillips 拠出のSt. James, Louisiana 工場だけで、能力が限られており、長期購入契約の相手先は恐らく Lyondell だろうといわれている。
ダウはBasic chemicalsの"Asset light" 戦略(JV化と縮小均衡)とSpecialty chemicals の推進を急いでいる。
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ダウは9月10日、同社の中空球プラスチック顔料事業をOMNOVA Solutions Inc.に譲渡する契約を締結した。
Rohm and Haas買収の条件としてFTCから売却を求められていた。FTCの承認が必要となる。
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