中国国家発展改革委員会(NDRC)は最近、自動車メーカーが国内需要の増加を受けて生産能力を増やしているが、今後過剰能力になるのは必至で、放置すれば2013年までに工場の操業度は70%以下になると警告した。
政府の支援策の効果の減少と環境問題の圧力の増大により、国内市場の成長ペースはスローダウンし、新能力は今後遊ぶことになろうとしている。
中国の自動車の生産能力は来年には16百万台を超える。
中国自動車製造業者協会によれば、国産自動車の販売は2009年の8ヶ月で年率29.18%伸び、833万台に達した。中国は世界最大の自動車市場となった。本年の販売台数は2008年の938万台から1200万台に増える見込み。
現在の操業度はほぼ80%となっている。
本年1月に中国は需要促進のため、1600CC未満の自動車のSales taxを従来の10%から5%に引き下げた。
政府はまた、「汽車下郷」(農村部に自動車を)制度で合計50億人民元の補助金支払いを決めた。
Volkswagen は先週、南京と成都の工場の能力をそれぞれ30万台から35万台に増やすため、40億ユーロの投資を行うと発表した。
先月にはGeneral Motors と中国第一汽車(FAW)は50/50JVの「一汽GM軽型商用汽車」を設立し、20億人民元を投じて年産20万台の小型商用車を生産することを決めた。
Fiat Auto SpA は7月に長沙市に広州汽車集団とのJVを設立、2011年の完成当初に乗用車14万台、エンジン22万基を生産する。
NDRCでは自動車メーカーは冷静に判断し、盲目的に通常の車の生産能力を増やさないよう警告した。
自動車メーカーがするべきことは、研究開発と、省エネで環境に優しい新エネルギー車の生産にもっと投資することであるとしている。
また、政府は国内自動車メーカーの統合、合併、買収を奨励するとしている。
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中国の合成樹脂の現在の好調も「家電下郷」などの政府支援策の効果が大きい。
都市部と農村部の所得格差は拡大している。輸出も依然、前年比マイナスを続けている。
政府の支援策の効果が切れた時が心配である。
2009/6/29 中国の現状
欧州ではスペイン政府の太陽光発電の補助金削減などで「太陽電池バブル」が崩壊した。
2009/9/16 欧州で「太陽電池バブル」崩壊
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