注目企業の9月中間決算ー1 信越化学、JSR

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9月中間決算の発表が始まった。

10月26日に信越化学とJSRの発表があったが、いずれも大幅減益となった。

特に半導体シリコン、半導体材料等(非石油化学部門)での減益幅が大きい。

 

信越化学

営業損益で前年同期比972億円の減益、当期損益でも654億円の減益となった。配当は据え置き。
同社は通期見通しについて、「現時点においても適切な予想を算出することは極めて困難」として、引き続き未定とした。

                                単位:百万円(配当:円)
売上高 営業損益  経常損益 当期損益    配当
中間 期末
08/9中間 695,413 150,101 156,519 100,953 50.0
09/9中間 417,229 52,939 55,818 35,528 50.0
増減 -278,184 -97,162 -100,701 -65,425  
09/3 1,200,813 232,927 250,533 154,731 50.0 50.0

営業損益対比(億円)
08/9 09/9 差異 09/3
有機・無機化学品 555 274 -281 952
塩ビ系 182 88 -94 367
シリコーン系 228 105 -123 336
  その他 145 81 -64 249
電子材料 794 171 -623 1,121
  半導体シリコン 699 100 -599 984
  その他 95 71 -24 138
機能材料 154 89 -65 257
調整 -2 -5 -3 -2
合計 1,501 529 -972 2,329

各部門との大幅な減益だが、特に半導体シリコンの減益が大きい。

四半期別に見ると、下図のとおり、2008年4Qを底に上向きにはなっているが、以前の状況には程遠い。

半導体シリコンについては一部で需要回復の兆しが見られてきたが、価格下低迷し厳しい状況が続いたとしている。

塩ビについてはシンテックは米同業他社が減産する中、世界中の顧客への拡販に努め、高水準の出荷を維持したとしている。(欧州と日本は需要低迷で厳しい状況)

そのシンテックでも経常損益はドルベースで前年同期の153百万ドルに対し、82百万ドルと46%減となっている。
なお、Georgia Gulf, Westlake (PVC部門)、Polyoneはいずれも赤字となっている。

ーーー

JSR

大幅減益で、当期損益は赤字となった。特にこれまで利益の大部分を稼いでいた多角化事業の減益の影響が大きい。
配当は前年度の年間32円を本年度は26円に落とす。

                               単位:百万円(配当:円)
売上高 営業損益  経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 208,037 26,166 27,822 16,204 16.0
09/9中間 142,943 3,290 3,107 -448 13.0
増減 -65,094 -22,876 -24,715 -16,652 -3.0  
09/3 352,502 30,347 31,111 13,981 16.0 16.0
10/3予想 307,000 16,000 16,500 10,000 13.0 13.0

営業損益対比(億円)
08/9 09/9 差異 09/3
エラストマー   60 -43 -103   80
エマルジョン -1 -3  -2   5
合成樹脂   13 -7 -19   13
多角化事業  190 86 -105   205
合計 262 33 -229  303

注 多角化事業には半導体材料(売上高226億円)、FPD材料(297億円)、光学材料( 59億円)などがある。

エラストマーは自動車タイヤの需要の低迷、価格下落で赤字となった。

多角化事業は需要の減少に円高が加わり、大幅な減益となった。
四半期別には、下図の通り、順次回復はしている。


* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。

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