LG Chemが第3四半期に過去最大の業績を上げた。
同社の金磐石(キム・バンソク)副会長は13日の企業説明会で、第3四半期の売上が4兆3643億ウォン(約3350億円)、営業利益が7299億ウォン、純利益が5430億ウォンを記録したと明らかにした。
売上、営業利益、純利益のすべてが四半期ベースで過去最大となった。
売上は前年同期比で9.7%増、営業利益は75.3%増、純利益は82.8%増と急増した。
金副会長は、「液晶パネルの需要増にともなう偏光板など光学素材事業の収益性が改善し、ノキアやヒューレット・パッカードなど大口顧客への電池供給量が増えた」と説明した。
また、「石油化学部門でエチレン・プロピレンなどで価格が上昇したことから利益が増え、PVC需要が回復したことで業績が改善した」と述べた。
連結損益 (単位:10億ウオン)
2008 | 2009 | |||||||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
売上高 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
Petrochemicals | 2,835 | 3,131 | 3,380 | 2,470 | 11,816 | 2,587 | 2,884 | 3,074 | 8,545 | |
I & E Materials | 620 | 654 | 654 | 750 | 2,678 | 786 | 1,015 | 1,234 | - | 3,035 |
Total | 3,494 | 3,749 | 3,980 | 3,332 | 14,555 | 3,400 | 3,921 | 4,364 | - | 11,685 |
営業損益 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
Petrochemicals | 285 | 393 | 319 | -85 | 912 | 374 | 531 | 519 | - | 1,423 |
I & E Materials | 84 | 102 | 107 | 172 | 466 | 114 | 130 | 216 | - | 460 |
Total | 362 | 484 | 416 | 59 | 1,321 | 487 | 660 | 730 | - | 1,878 |
LG Chem によると、各部門の状況は以下の通り。
石油化学部門
ナフサ分解/ポリオレフィン:原油価格アップ、製品市場好調で増益
PVC:原油価格アップ、国内と途上国市場好調で増益
ABS/エンプラ:中国市場の需要安定
アクリル/可塑剤: 需要維持で安定
合成ゴム/特殊樹脂: 自動車業界の回復
今後の予想
中東と中国の新増設でポリオレフィン価格下落
ポリオレフィン以外は安定
I & E Materials部門
Electronics & opticals: LCD需要の急増で増益
品質改善も貢献
Battery:主要需要家(Nokia, HP, LGE)の需要増
ハイブリッド自動車向け販売開始(現代自動車、起亜自動車)
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液晶パネル世界第二位のLG Display は第3四半期の営業利益が9040億ウオンで前年同期比3.6倍になったと発表した。純利益も90%増の5591億ウオンとなった。
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LG Chemだけでなく、サムスン電子、現代自動車など韓国の主要企業は好調である。
これについて、韓国内で議論が分かれている。
大統領府(青瓦台)の姜万洙経済特別補佐官は10月13日、「主要企業は、為替効果と政府の財政政策がなければ過去最高の赤字を出したはずだ」とし、「二番底(ダブルディップ)がやって来る懸念があり、経済は今後2年間にわたり現在の不況が続く」と発言した。
これに対し、韓国貿易協会の司空壱会長は14日、「為替相場が企業(の業績改善)に役立っているのは事実だが、 1990年代後半にアジア通貨危機を経験し、企業の基礎が丈夫になり、企業が新製品開発と新市場開拓に取り組んだ結果だ」と反論、「最近世界経済に表れている民間消費の伸びや投資シグナルが持続しなければ、一部で二番底に陥る可能性があるが、G20が政策協調を行えば、二番底を防ぐことができる」と述べた。
本年7-9月期の平均レートは1ドル=1239.22ウォンだった。
昨年同期のレートは1ドル=1066.09ウォンだった。
証券各社が予想する今年7-9月期のサムスン電子の営業利益は、およそ2兆6000億ウォンだが、レートが昨年と同じ水準だったと仮定すれば、営業利益は昨年同様1兆ウォン程度にとどまっていたと推定されている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htm にあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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