公取委、外国事業者に排除措置命令と課徴金納付命令

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公取委は10月7日、外国事業者を含むテレビ用ブラウン管の製造販売業者らに排除措置命令及び課徴金納付命令を出したと発表した。2007年11月に米国、EUと同時期に調査を開始したもの。

日本のブラウン管テレビ製造販売業者(オリオン電機、三洋電機、シャープ、日本ビクター、船井電機)の現地製造子会社等が購入するテレビ用ブラウン管について、遅くとも2003年5月ころまでに、2か月に1回程度、ミーティングを継続的に開催し、おおむね四半期ごとに次の四半期におけるその現地製造子会社等向け販売価格の各社が遵守すべき最低目標価格等を設定する旨を合意することにより、公共の利益に反して、特定ブラウン管の販売分野における競争を実質的に制限していた。

公取委が国際カルテルで海外企業に課徴金納付を命じたのは初めて。

外国法人間の取引では日本の独禁法は適用できないが、公取委は今回、日本の電機大手の親会社がブラウン管の購入価格などを交渉していたため、日本の親会社と現地製造子会社は一体だとして、日本の市場にも悪影響を及ぼしたと認定、同法が適用できると判断した。

    価格
決定
出荷   排除措置
命令
課徴金納付
命令
 
MT映像ディスプレイ     大阪府   ○   -  
 MT Picture Display (Malaysia) Sdn. Bhd. 子会社   Malaysia   -  650,830千円 清算手続き中
 PT. MT Picture Display Indonesia 子会社   Indonesia   -  580,270 清算手続き中
 MT Picture Display (Thailand) 子会社   Thailand   -  566,140 清算手続き中
Samsung SDI     Korea   ○   -
 Samsung SDI (Malaysia) BERHAD 子会社   Malaysia   -  1,373,620  
LG Philips Displays Korea   <p><p>HTML clipboard</p></p>  Korea   -  151,380 事業譲渡
 P.T. LP Displays Indonesia     Indonesia   - *(10億円以上)  
Chunghwa Picture Tubes     Taiwan   ー   - 自主申告
 Chunghwa Picture Tubes (Malaysia) Sdn Bhd. 子会社   Malaysia   ー   -  
Thai CRT   Thailand   -   - 解散消滅
合計          2  3,322,240  

◎印の5社が、共同して特定ブラウン管の最低目標価格等を設定し、日本のブラウン管テレビ製造販売業者と価格等の交渉を行い、各社の子会社等(○印)が指示を受けて、日本のブラウン管テレビ製造販売業者の現地製造子会社等に出荷していた。

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MT映像ディスプレイは旧松下東芝映像ディスプレイ(松下/東芝JV)で、現在はパナソニックの100%子会社。

 MT Picture Display (Malaysia)は2007年10月に解散の決議を行い、同日付けで清算手続を開始。
 
PT. MT Picture Display Indonesia20079月に操業停止、同日付けで清算手続を開始。
 
MT Picture Display (Thailand) 20095月に解散決議を行い,同日付けで清算手続を開始。

LG Philips Displays Korea20097月に韓国のMeridian Solar & Displayにテレビ用ブラウン管の製造販売に係る事業を譲渡。

Thai CRT20076月に解散決議を行い、その後、消滅。

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Samsung 系2社は同日、公取委に国内代理人の解任を伝えたため、海外送達手続の完了まで命令の効力は発しない。

P.T. LP Displays Indonesiaには10億円以上の課徴金納付を命じる方針だが、同社は日本で代理人を選任しておらず、外交手続きにより意見申述・証拠提出の機会を付与するための手続を行っている。

注 独禁法49条3
公正取引委員会は、排除措置命令をしようとするときは、当該排除措置命令の名あて人となるべき者に対し、あらかじめ、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を付与しなければならない。

<p>HTML clipboard</p>◎印5社のうち、LGは事業譲渡、Chunghwaは自主申告、タイのメーカーは会社が解散したため、排除措置命令対象から外れた。

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パナソニックは以下の通り発表した。

MT映像ディスプレイ株式会社はブラウン管事業からの撤退を決定しておりますが、今回の排除措置命令および課徴金納付命令に関する公正取引委員会の判断については、これまでの独占禁止法の考え方並びに運用と異なる点もあることから、今後、審判請求も視野に入れて慎重に対応を検討してまいります。


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