豪州当局、中国企業による豪石炭会社買収を条件付で承認

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豪州当局は10月23日、中国4位の石炭会社、エン州煤炭が同業の豪 Felix Resourcesを35億豪ドルで買収することを条件付で承認した。

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中国4位の石炭会社、エン州煤炭(Yanzhou Coal Mining)は本年8月、同業でオーストラリアのFelix Resourcesを買収することで合意した。石炭の供給確保を目指す。

中国企業による豪州企業の買収としては、英豪系の鉱業大手 Rio Tintoが6月に中国アルミ大手Chinalcoからの195億米ドルの出資を拒否した以降で最大規模のものとなる。

Felix Resourcesは東豪州に多くの炭鉱を持つ。

Site Ownership    Resources (Mt)
Measured Indicated Inferred Total   
Yarrabee open cut 100% 54.6 5.3 57.3 117.2
Ashton open cut 60% 84.9 25.9 8.1 118.9
Ashtonunderground 60% 163.6 112.7 46.4 322.7
Harrybrandt open cut 100% 102.5 102.5
Minerva open cut 51% 17.4 36.1 25.0 78.5
Athena underground 51% 560.0 560.0
Moolarben open cut 80% 257.4 96.5 52.7 406.6
Moolarben underground 80% 88.8 114.6 96.4 299.8
Phillipson Basin open cut 100% 14.7 145.7 354.5 514.9
Total   681.4 536.8 1,302.9 2,521.1
Felix 持分合計   504.2 421.5 964.6 1,890.3

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豪州当局は承認に当たり、以下の条件をつけた。

豪州の炭鉱を運営するYancoal Australiaは、豪州法人で豪州に本社を置き、主として豪州人の経営者、セールスチームが経営する
Yancoal Australiaとその子会社は豪州に主たる住居を持つ最低2人の取締役を置き、そのうち1人はエン州煤炭から独立した者とする
Yancoal AustraliaのCEOとCFOは主たる住居を豪州に持つ
Yancoal Australiaの毎年の取締役会の大部分は豪州で開催する
2012年末までに Yancoal Australia を豪州で上場し、エン州煤炭の持株比率を70%未満とする
豪州石炭の全てを国際市価で、市場の慣行に沿って販売する
いくつかの炭鉱は第三者とのJVだが、 Yancoal Australia の上場後は、これらJVのエン州煤炭の持分は50%を超えない。

エン州煤炭はこの条件を受け入れた。

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豪州の資源企業は資源価格の値下がりと、グローバル経済危機による投資資金の逃避により、開発資金を欠いて四苦八苦しており、中国からの資金投入が認められない場合、開発を続けられない状況にある。

海外に資源を求める中国企業との思惑は一致している。

しかし、中国企業による豪州企業の買収提案が相次ぎ、豪州国内で政治問題化した。

Sydney Morning Herald は、政府は恣意的な投資障壁をつくり、「中国に立ち向かっている」ように見せかけているが、これは中国マネーは危険だとのメッセージを国民に与えるもので、「赤禍ヒステリア」を起こしかねないとしている。

2009/9/17 中国の海外資源会社への出資 続く 

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豪州のForeign Investment Review Board は本年9月、主要な豪州の資源会社への海外からの投資は15%未満に、新規計画への参加は50%未満にするべきだとの意向を表明した。

西豪州にあるレアアース鉱 Mt Weld 鉱を開発する Lynas Corp. は中国の国有非鉄大手、中国有色鉱業集団(China Nonferrous Metal Mining Co.)から252百万豪ドルの出資(マジョリティ)を受け入れることを決めたが、豪州のForeign Investment Review Boardは9月24日、中国有色鉱業の出資を50%未満、取締役を50%未満にするよう要求、有色鉱業はこれを拒否し、撤退した。

2009/5/16 中国、レアアースでも豪州に進出

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中国の国有企業五鉱集団(Minmetals)の子会社の五鉱有色金属(Minmetals Non-ferrous Metals)が豪州3位の鉱業会社で世界2位の亜鉛メーカーのOZ Minerals を約17億米ドルで全株式を取得する案件では、豪州政府はOZ Minerals の Prominent Hill 鉱山は南豪州のWoomera Prohibited Area (豪軍の武器テスト場)にあり、これが含まれる限り、本案は承認できないとした。

実際には、鉱山は武器テスト場から150km離れており、安全保障上の懸念はないという。

両社は協議の結果、Prominent Hill 鉱山を買収対象から除外し、買収額を12.1億米ドルに修正した。

これについて、豪州政府は条件付でこの買収を承認したが、条件の中には、
鉱山運営会社は豪州に本社を置き、豪州人の経営陣で運営する。CEOとCFOは豪州在住とする。
五鉱集団との取引価格は国際市況に沿った市価基準とする。
という、今回と同様のものが含まれている。

2009/4/25 豪州政府、中国五鉱集団による豪州OZ Minerals 買収を条件付で承認

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豪州のWestern Plains Resources Ltd は6月12日、武漢鋼鉄集団との間で南豪州のHawks Nest磁鉄鉱開発に武漢が50%出資する契約を締結した。Hawks Nest はWoomera Prohibited Area にある。

豪国防省は9月24日、国家の安全に及ぶとの理由で、中国武漢鋼鉄公司によるWoomera Prohibited Areaでの磁鉄鉱の投資採掘は認めないと発表した。Woomera Prohibited Area にあるという理由での不承認はこれで2件目となる。

 


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