両社とも当期損益は赤字となった。
営業損益では、昨年第4四半期から本年第1、第2四半期と急速に改善はしているが、本中間決算では両社の石油化学、住友化学の情報電子化学が赤字となっている。
特に、石油化学については、主として中国向け輸出が好調で、エチレンはフル操業を続けているにもかかわらず、赤字である。
(輸出は内販と比較して価格が安く、採算は悪い。)
中国の需要は「家電下郷」などの景気刺激策に負うところが大きく、いつまでも続かない。
更に、ナフサ価格の更なる上昇、中東・中国の新設備完成など、今後のマイナス要因が多い。
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住友化学
中間決算実績は当初予想(営業損益 -50億円、当期損益 -200億円)よりは大きく改善し、営業損益は112億円の利益となったが、大日本住友製薬等の少数株主利益の控除が大きく、当期損益は赤字となった。
中間決算では無配とし、期末配当は6円と予想している。
単位:百万円(配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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セグメント別には基礎化学(合繊原料、MMAなど)、石油化学、情報電子化学が赤字となったが、農業化学、医薬品が好調。
「ラービグ計画」は、第1四半期から順次稼動を始めたが、まだ業績には寄与していない。
営業損益対比(億円)
中間決算対比 09/3 四半期対比 08/9中 09/9中 増減 08/4Q 09/1Q 09/2Q 基礎化学 -12 -38 -26 -153 -77 -28 -10 石油化学 -101 -63 38 -303 -198 -56 -7 精密化学 22 1 -21 16 -20 -1 2 情報電子化学 123 -57 -180 -10 -187 -31 -26 農業化学 123 128 5 244 90 58 70 医薬品 192 158 -34 324 34 98 60 その他 -36 -20 15 -79 -47 -20 -1 全社 -1 4 5 -17 2 4 0 営業損益合計 310 112 -198 21 -402 23 89
四半期別に見ると、基礎化学、石油化学、情報電子化学ともに、赤字は急速に減少している。
なお、大日本住友製薬は若干の増益となった。
2010年3月予想には、10月に買収し子会社化した米医薬会社Sepracor Inc.の業績は含んでいない。
単位:百万円(配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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三井化学
前期に比して大幅な減収で、営業損益・経常損益・当期損益ともに赤字となった。
上期の配当は無配とし、下期は未定としている。
単位:百万円(配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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セグメント別には機能材料、基礎化学品の赤字が大きい。
機能材料については、前年同期比 187億円の採算悪化で、数量差が-76億円、交易条件差が-144億円となっている。
基礎化学品は113億円の採算悪化で、数量差が -151億円となっている。
全社合計では数量差が-263億円、交易条件差が-136億円、固定費差その他が+109億円となっている。
通期予想でも両セグメントは赤字となっている。
営業損益対比(億円)
中間決算対比 09/3 10/3予 四半期対比 08/9中 09/9中 増減 08/4Q 09/1Q 09/2Q 機能材料 92 -95 -187 -160 -105 -258 -67 -28 先端化学品 36 29 -7 73 90 22 8 21 基礎化学品 -2 -115 -113 -320 -95 -327 -70 -45 その他 -2 10 12 1 -0 2 8 全社 -24 -19 5 -49 -40 -12 -8 -11 営業損益合計 100 -190 -290 -455 -150 -575 -135 -55
機能材料 自動車・産業材(エラストマー)、包装・機能材(工業樹脂)、生活・エネルギー材(機能加工品)、
電子・情報材(電子材料、情報材料、機能性ポリマー)、ウレタン樹脂原料先端化学品 精密化学品、農業化学品 基礎化学品 基礎原料(エチレン、プロピレン等)、フェノール、合繊原料・ペット樹脂、工業薬品、PE、PP その他 その他関連事業等
四半期別に見ると、機能材料、基礎化学品ともに、赤字は急速に減少はしているが、先端化学品(精密化学品、農業化学品)の黒字幅が小さく、赤字部門の赤字を吸収できない状態にある。
農業化学品・医薬品の黒字が大きい住友化学との違いとなっている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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