注目企業の9月中間決算-3 三菱ケミカル

| コメント(0)

三菱ケミカルHD

営業損益は黒字となったが、経常損益、当期損益は赤字となった。
上期の配当は半減、通期では8円とした。

                               単位:百万円(配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当
中間 期末
08/9中間  1,587,734  56,211 65,516 23,544  8.0  
09/9中間 1,145,807 2,071 -4,551 -2,567 4.0  
増減 -441,927 -54,140 -70,067 -26,111 -4.0  
             
09/3 2,909,030 8,178 -1,906 -67,178  8.0  4.0
10/3 2,490,000 60,000 42,000 0  4.0  4.0

<p><p><p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p></p></p>

セグメント別ではポリマーズの赤字が大きい。(但し第2四半期では黒字転換)
昨年第4四半期に大きな赤字のケミカルズは当期は赤字幅が大幅に縮小した。

ケミカルズ、ポリマーズの四半期別の損益にズレがあるが、これは在庫評価(総平均法)の影響と、価格転嫁時期の影響と思われる。
ヘルスケアの変動も大きいが、田辺三菱製薬の損益による。

 
営業損益対比(億円)
  中間決算対比   09/3   四半期対比
08/9中 09/9中 増減 08/4Q 09/1Q 09/2Q
エレクトロ  106 4   -102   48   -67 -9 13
デザインド 27 16 -11   -21   -46 -8 24
ヘルスケア   372 321 -51   793   93 252 70
ケミカルズ 70 -24 -93    -555   -326 -29 6
ポリマーズ  -5 -259 -254    -130   -43 -281 22
その他  62 26 -36     88   3 3 23
全社   -70 -64   7   -141   -35 -33 -30
営業損益合計   562 21 -541   82   -422 -106 127
 

当期の特別損益に変わったものが計上されている。

  特別利益  負ののれん発生益  136億円
          段階取得に係る差益  66億円

M&Aに関する会計基準は2010年4月から適用だが、2009年4月からの早期適用も可能で、同社はこれを行った。<p><p>HTML clipboard</p></p>(当期損益の赤字縮小に貢献)

負の「のれん」は(企業買収価額<買収企業の<p><p><p><p>HTML clipboard</p></p></p></p>純資産)の場合の差額で、従来は一定期間で償却していたが、一挙に利益に計上する。

企業買収を段階的に行う場合、従来は個々の取引時の時価を簿価にしていたが、支配獲得時の時価を全株式の簿価とするよう変更になる。
最終株価と個々の取引時の株価の差が「段階取得に係わる差益」となる。

同社の当期中の買収には、三菱樹脂によるQuadrantのTOBなどがある。
これに関するものと思われるが、詳細は不明。

ほかに特別損失に、関係会社整理損 -126億円がある。

三菱化学が1992年撤退したマレーシアにおける希土事業について、本年8月に廃棄物処理施設の設置工事契約を締結した。この工事の施工に伴う費用の負担に備え、関係会社整理損として125億円を計上した。

 

なお、田辺三菱製薬の損益は以下の通り。

                                単位:百万円(配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当
中間 期末
08/9中間  206,339  34,075 35,140 16,381  14.0  
09/9中間 198,239 27,456 27,910 13,552 14.0  
増減 -8,100 -6,619 -7,230 -2,829    
             
09/3 414,752 71,694 72,582 26,532  14.0  14.0
10/3 408,000 63,500 63,500 32,500  14.0  14.0

 


* 総合目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ