文部科学省科学技術振興調整費で行われている「戦略的研究拠点育成」で、東京大学が環境関係の大プロジェクト IR3Sを実施しているが、このプロジェクトの叢書No.1として、「地球温暖化懐疑論批判」という冊子が発行された。
内容: http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/pages/236/all.pdf
「人為起源の二酸化炭素排出を主な原因として地球規模で気候が温暖化するという、いわゆる人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的あるいは否定的な見解をとる議論が日本国内でも存在している。
社会からの信頼にその活動基盤を置く科学者コミュニティは、こうした現状を座視すべきではないと考える。
したがって、本稿ではこれらの議論から主な論点を拾い上げ、一方的な、あるいは間違った認識に基づくものに対して具体的な反論を行う。」 (本文「our mission」より)
執筆者(批判側)と、取り上げられた否定的見解(批判される側)は以下の通り。(敬称 略)
批判側 | 批判される側 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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槌田 敦 薬師院 仁志 渡辺 正 伊藤 公紀 近藤 邦明 池田 清彦 矢沢 潔 ロンボルグ ダーキン(映像監督) 武田 邦彦 伊藤・渡辺 山口 光恒 丸山 茂徳 武田・丸山 養老 猛司 赤祖父 俊一 |
安井至氏の「市民のための環境学ガイド」がこれを取り上げ、内容を紹介している。
http://www.yasuienv.net/CriticalSkeptic.htm
その中で同氏は、「ざっと読んだ感想としては、これで科学的な論破はできているように思う」とし、「いずれにしても、この冊子が懐疑論者に対して、決定的な影響を与えるだろう。これはほぼ確実だ。果たしてどんな結末になるか、しばらくは見守りたい」としている。
これに対してNPO法人「もったいない学会」会長の石井吉徳・東京大学名誉教授は、「あまりに幼稚な内容の冊子、東大サステナの知性を疑いました」と述べている。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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