石油化学工業協会は11月19日、政府税制調査会で租税特別措置の見直し等の一環として、ナフサ等石油化学原料の免税に手を加えようとする動きがあることに対し、重大な懸念を表明、非課税の原則が貫かれるよう強く要求するとする緊急決議を行った。
内容は以下の通り。
1. 工業原料の非課税原則は世界の常識 | |
: | 世界を見渡しても原料用ナフサ等に課税している国はない。 |
2. 世界に類のない石化原料課税は産業存立基盤を破壊 | |
石油化学工業は下流部門を含めると出荷額30兆円、雇用者73万人、中小企業2万社を擁する重要産業。 中東産油国の石化増強などで厳しい競争にさらされているこの産業の存立基盤をさらに脅かす。 | |
3. ナフサ等の課税は国民生活にも大きな影響 | |
各種容器、食品包装、断熱材などから電気製品や自動車の部品に至るまで材料として広汎に使用され、課税に伴う価格上昇は国民生活に大きな影響を与えるおそれがある。 | |
4. 民主党の政策一貫性を期待 | |
昨年租税特別措置法が期限切れを迎えた時、野党であった民主党は租特法の延長には反対しつつも国民生活に多大な影響のある7項目(ナフサ等の石油石炭税免税を含む)の免税措置を延長する法案を参議院に提出した。 民主党の主張の一貫性を期待。 | |
本来、本則で非課税とすべき工業原料用ナフサを便宜的に租税特別措置という形で免税しているが、他の特例的措置と同列に論ずること自体がおかしい。
原料ナフサの課税は世界の常識に反し、産業、雇用、地域経済の実態を理解しないばかりか、国民生活にも配慮せず、論理的にも一貫しない行為であり、全く受け入れることが出来ない。
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ナフサ等の課税の概要
石油石炭税 | 揮発油税 | |||||||||||||||||||||||||||||||
税率 | 原油・石油製品 2,040 円/KL |
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免税の 定め方 |
租税特別措置法で2年毎に延長 (来年3月末で期限切れ) |
租税特別措置法で期限を定めず に免税 | ||||||||||||||||||||||||||||||
免税 相当額 |
約1,000億円 | 約3兆円 |
なお、ナフサ(輸入)価格は11月現在約4万5000 円/KL
参考 2008/1/22 ガソリン税問題と石油化学業界への影響
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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