米国、住宅減税を延長

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米商務部は11月18日、10月の住宅着工件数を発表した。
年率 529千戸で、一旦上向いたのが、再び下落した。

米国 住宅着工件数推移(季節調整済み年換算:千戸)

  2008 2009 前年同月比
1月  1,083     488  -54.9%
2月  1,100     574   -47.8%
3月   993     521   -47.5%
4月  1,001    479   -52.1%
5月   971   551  -43.3%
6月  1,078   590  -45.3%
7月   933   593   -36.4%
8月   849   581   -31.6%
9月   822   592  -28.0%
10月   763   529  -30.7%
11月   655    
12月     556    
年合計   905.5   550   -39.3%

Obama 大統領は本年217日、7,970億ドルの景気対策法案(Stimulus Plan)にサインした。

サブプライム問題で住宅着工が急激に落ち込んだのに対しては、住宅購入に対して15,000ドルを限度とする税控除制度が導入された。しかし、これは最終的に限度8,000ドルに減額された。

5月からの少しの回復は一部にはこれが貢献しているかも知れない。

しかし、これは11月末で終了する。

米国では自動車買い替え助成制度(燃費の悪い車を燃費の良い車に買い替えると最大4500ドルの補助)を11月までの予定で7月下旬にスタートした。
当初10億ドルだった予算を3倍に増やしたが、予算が底をつく見通しになり8月25日に制度を終了した。

これを利用して販売された自動車は、トヨタが19.4%でトップ、GM 17.6%、Ford 14.4%、ホンダ 13.0%、日産 8.7%の順であった。

米市場の8月の新車販売台数が年換算で約1400万台の水準に急伸したが、助成制度が終了した8月25日以降、販売台数は年換算で800万台に落ち込んだ。

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欧州でもスペイン政府が2009年以降、太陽光発電の補助金を年間500MWに制限した結果、太陽電池の世界首位のドイツのQ-Cells 上半期決算で大幅な赤字となった。
  2009/9/16
欧州で「太陽電池バブル」崩壊


米議会は住宅減税の延長を決め、11月6日に法案が成立した。内容は以下の通り。

・初めての住宅購入者(3年間住宅を持たない人)は購入額の10%の税控除を受ける。(最高 8,000ドル)
・現在の住宅を少なくとも5年所有している人は購入額の10%(最高6500ドル)の税控除を受ける。
 (これまでは初めての購入者のみであった)
・対象は年所得が125千ドル以下(共稼ぎの場合225千ドル)
・購入契約は2010年4月30日までに締結し、6月30日までに成立すること。
・住宅は居住用であること。

しかしながら、バブル時代には住宅の値上がりが担保となり、返済余力のない人(NinjaNo income, No job, No asset)にも融資が行われたが、現在では融資条件が厳しい。
(2009年7-9月期の住宅ローンの延滞率と差し押さえ率の合計は過去最悪の14.41%となっている。)
これにより住宅購入→新築が急増するとは考え難い。

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日本でもエコポイント、エコカー補助金も来年3月末で期限を迎える。

経済産業省はこのたび、省エネ型家電の購入を促すエコポイント制度を9ヶ月以上延長する方針を固めた。
対象に発光ダイオード(
LED)照明なども加える方向で検討する。

また低燃費車への買い替えを促すエコカー補助金も少なくとも6ヶ月延ばす方針。

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消費が振るわないなかで、補助金の効果は大きい。

中国では「家電下郷」、「汽車下郷」の効果で、家電や自動車の生産は依然として伸びている。

参考 2009/6/29 中国の現状

 


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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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