カタール石油、中国とベトナムで石油化学事業

| コメント(0)

Qatar Petroleum International (QPI) CEOはこのたび、アジアの拡大する需要に対応するため、2015年までに中国とベトナムで98億ドルに達する2つの石油化学プラントを建設することを明らかにした。

中国ではCNOOCともう1社と組み、海南省に58億ドルを投じてコンプレックスを建設する。

ベトナムに関しては、
40億ドルを投じる計画を、PetroVietnam、伊藤忠、タイのSiam Cement Group と予備的協議を開始した。

QPIはアジア進出を進めており、<p>HTML clipboard</p>既報の通り、住友化学主導のシンガポールの2つの石化会社、PCSとTPCにQPIが参加することで合意した。

また、20086月に QPIとPetroChinaShell 3社は中国での石油精製・石油化学コンプレックス建設の予備検討開始の覚書を締結した。

ーーー

両計画とも石化原料としてカタールのLPGを使用する。

カタールは、年間約600万トンの液化石油ガス(LPG)生産量を来年末には同1200万トンまで増やすことを計画しており、増加分のほとんどをアジア向けに供給したいとしている。

積極的な投資は、原料にLPGを利用するプラントを建設することでLPG需要の拡大を狙ったもの。

海南島の計画はCNOOCともう1社と組み、海南省に58億ドルを投じてコンプレックスを建設するもので、2010年下期にもNDRCの承認を取得したいとしている。
第一段階では年
380万トンのLPGを原料に年産260万トンのオレフィンを生産するもので、最終的にはオレフィンを500万トンにすると言われている。

海南島ではSinopecが2008年4月に、海南省政府との間で年産100万トンのエチレン計画に関する契約に調印している。

2008/4/14 Sinopec の新しいエチレン計画

---

ベトナムではタイのSiam Cementグループとベトナム側のJVのLong Son Petrochemical が、37.7億ドルを投じてHo Chi Minh市近郊で石化コンプレックス建設を計画している。

SiamグループのPVC事業会社Thai Plastic and Chemicals (TPC) と、TPCの子会社でベトナムでPVC事業を行うVina SCG Chemicals が合計で71%を出資、残りをPetroVietnamVietnam Chemical (Vinachem)が出資するもの。

首相が20089月末に建設着工することを承認した。

2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工

今回、QPIはこの計画への参加について、PetroVietnam、伊藤忠、Siam Cement Group と予備的協議を開始した。

伊藤忠はSiam Cement Group Cementhai Chemical と組んで、イランでHDPEの生産を行っており(下記)、QPIとも2007年11月に海外の石油ガス上流開発、新エネルギー事業、石油化学の分野で協力することで合意している。
同社は1997年以来、QPIが大口株主であるラスラファンLNG社への参画を通じて、カタール国とは長期的に友好な関係を築いている。

伊藤忠広報部によると、同社はベトナムでの石化プラント事業について検討しているという。

ーーー

イランでのHDPEの製造販売

 会社名:Mehr Petrochemical Company Ltd(略称:MHPC)
 立地  :
アサリューエ
 
出資者:NPC (イラン国営石油化学) 40%
      投資会社 60%
 能力  :30万トン
 プロセス  三井化学保有の高密度ポリエチレン製造技術
 建設  三井造船・三井化学 

2006/6/20 伊藤忠のイランHDPE計画に米国の圧力?

 


* 総合目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ