エーザイ、米国でAkaRx, Inc.を買収

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エーザイは12月18日、AkaRx, Inc.の買収手続きを開始すると発表した。
買収価格は255百万米ドルで、AkaRxは米国事業会社エーザイ・インクの子会社となる。

同社は2008年1月に、がん・救急治療に強みを持つ米国バイオファーマ企業のMGI PHARMA, INC を買収したが、これに伴い、AkaRx買収オプション権を取得した。

今回、このオプション権を行使したもの。

AkaRX は山之内製薬が藤沢薬品と合併し、アステラス製薬となった時にスピンアウトした会社で、<p><p><p>HTML clipboard</p></p></p>山之内はここで新薬AKR-501 を(YM477 として)開発していた。

2007年8月に米国バイオファーマ企業 MGI PHARMAAkaRXからAKR-501(現在の開発品コード:E5501)の開発権を買収するとともに、2010年18日までの間でAkaRxを買収するオプションを取得する契約を締結した。

エーザイは2007年12月、がん・救急治療に強みを持つMGI PHARMA を総額約39億米ドルの現金にて買収する最終契約を締結した。

MGI PHARMA買収で、AkaRxを買収するオプションがエーザイに移り、期限切れを間近に控え、オプションを行使した。
AkaRxの株式を100%取得し子会社化し、AKR-501の全世界における開発・販売・製造権を取得する。

AKR-501は、巨核球およびその前駆細胞に作用して血小板産生を促進するトロンボポエチン(TPO)の受容体アゴニストで、経口投与により血小板数増加を促進させることにより、血小板減少を示す様々な疾患に対する効果が期待されている。

アゴニストとは生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどと同様の機能を示す作動薬。

現在、米国において、<p>HTML clipboard</p>特発性血小板減少性紫斑病および肝疾患に伴う血小板減少症を対象とした第II相試験を進めており、前者についてはPOC(Proof of Concept:創薬概念の検証)が確認されている。また、がん化学療法に伴う血小板減少への適応についても可能性を追求していく。

特発性血小板減少性紫斑病は、血小板が減少し、さまざまな出血症状を引き起こす疾患で、日米欧、中国、インドなどで患者数は約80万人と推計されているという。

内藤社長は、中国では人口の1割が肝炎ウイルスを保有していると言われており、AKR-501は将来の中国市場開拓の役割を期待できると述べた。

同社は今回の買収を通じ、開発品ラインナップの更なる強化を図り、アンメットメディカルニーズ(未だに医療ニーズが満たされない疾患領域)を充足させる。

なお、同社はAkaRxの買収に伴い、インプロセス研究開発費 255百万米ドルが発生するため、当期の営業損益、経常損益、当期損益予想をそれぞれ227億円減額した。


* 総合目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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