Alcoaは12月21日、サウジアラビアで国営鉱物資源会社(Ma'aden)とJVを設立し、サウジでワールドクラスのアルミ一貫事業を行うと発表した。
先端技術を導入し、世界で最低水準の生産コストのアルミナ、アルミ、アルミ製品のサプライヤーになるとしている。
第一期では以下の能力の、完全に統合されたコンプレックスを建設する。
・年400万トンのボーキサイト鉱山
・年180万トンのアルミナ
・年74万トンのアルミインゴット、スラブ、ビレット
・年25万~46万トンの最先端の圧延工場(当初はアルミ缶製造用、将来は建材用なども)
精錬所と圧延工場はサウジ東海岸のRaz Az Zawr産業地区に建設される。低コストでクリーンな発電所や港湾、鉄道施設など政府の開発したインフラを利用できる。
原料のボーキサイトはQuiba(Qiba)近郊のAl Ba'ithaの新鉱山から鉄道で輸送される。
* Qibaの近くのAz Zabirahにはボーキサイト鉱山があるが、Al Ba'ithaの新鉱山はこの近くにあると思われる。(地図参照)
計画は2段階で開発される。第一段階はアルミ精錬と圧延で、2013年に製造を開始する。第二段階のボーキサイト採掘とアルミナ製造は2014年に予定されている。
投資額は108億ドルとしているが、詳細設計次第となる。
Ma'adenがJVの60%を所有、Alcoa主導の投資事業組合(Alcoa 50%)が40%を所有する。
Alcoaは全工程にわたっての設計、建設、操業でノウハウ、経営技術、支援を提供する。また、第一段階では原料アルミナを海外から供給する。
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Ma'aden は1997年3月に、サウジの石油以外の金属資源を開発し、サウジ経済を石油と石油化学以外に多角化するために設立された。
2008年7月に株式50%を公開した。
今回の立地のRas Az Zawrは Al Jubail の北90kmにあり、Ma'adenが70%、SABICが30%出資するMa'aden Phosphate Company の統合化学肥料コンプレックスがある。
2010年にスタートする予定で、燐酸、硫酸、アンモニア、二燐酸アンモニウム(DAP)造粒の各プラント、コジェネレーション、海水淡水化プラントとインフラ設備がある。
原料の硫黄は北部のAl Jalamidから貨車で輸送される。
粒状DAPを年産292万トン生産し、そのほか、外汎用のアンモニア40万トン、硫酸20万トンを生産する。
中東のアルミ事業については下記参照。
2008/6/3 中東のアルミ事業
2008/6/18 サウジの2つのアルミ計画 中国アルミとドバイアルミの進出
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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