シノペック、エクソンからLNGを長期購入

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パプアニューギニアLNG(PNG LNG)計画の運営を担当するExxon Mobil 123日、シノペックに年間200万トンのLNGを供給する契約を締結した。
山東省のシノペックの
LNGターミナルに20年間供給する。

シノペックの同ターミナルは現在建設中の第一期が年300万トンで、第二期では500600万トンに拡大する。

中国は原油輸入依存と石炭燃焼の公害問題を懸念し、LNGの比率を高めようとしている。

PetroChinaは豪州のGorgon ガス田LNGをExxonMobilからは20年間にわたり年間225万トン、Shellからは同じく20年間にわたり年間200万トンを購入する契約を締結している。

なお、東京電力は12月5日、豪州Gorgonガス田の隣のWheatstone LNG プロジェクトの11.25%をChevronから取得したと発表した。
Chevronが中心となって開発中で、同国北西部沖合の海底ガス田で天然ガスを産出、同国内で精製・液化する。2016年度以降操業を開始、年間最大860万トンを生産する計画。

Chevron  63.75%
東京電力  11.25%
Apache  26.25%  米国独立系
Kufpec   8.75%  Kuwait Foreign Petroleum Exploration Co.

東電がこのプロジェクトで調達を見込む年間LNG量は、権益による確保分(100万トン)と購入分(310万トン)を合わせ、東電が火力発電で年間に消費するLNGの約2割に相当する最大410万トン。 

東京電力は12月7日、Papua New Guinea LNGから、2013年後半から20年間、年180万トンを輸入すると発表した。

ーーー

PNG LNG 計画は、パプアニューギニア中央部のサザンハイランズ州およびウエスタン州に位置するガス田(Juha、Hides、Angore)および油・ガス田(Moran、Kutubu、Gobe)から生産される天然ガス(随伴ガスを含む)を、全長750km超のパイプラインで首都ポートモレスビー近郊まで輸送し、今後建設予定のLNGプラントで液化する同国における初のLNGプロジェクトであり、LNGの生産数量は年間630万トンを見込んでいる。

12月8日、事業化に向けた最終投資決定について、プロジェクト参加企業間で合意した。

千代田化工は12月9日、日揮と共同で LNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を受注したと発表した。

LNG液化施設能力 年産630万トン(315万トン x 2系列)
生産開始時期予定 2013年10月~12月
パイプライン 陸上300km+海上450km
LNG関連施設建設費見込み 100億ドル超

Papua New Guinea LNG Global Company LDCの参加者は以下の通り。
(2009年12月8日 最終決定)  

  権益比率 当初案  
ExxonMobil  33.2%  41.50% オペレーター
Oil Search  29.0%  34.04% パプアニューギニア法人
Santos  13.5%  17.69% 豪州大手石油会社
Nippon Papua New Guinea LNG
(日本パプアニューギニア石油の
 100%子会社
Merlin Petroleum
 の子会社)
  4.7%   5.34% 2008/12月 豪州のガス・電力供給会社
AGL Energy保有の権益(3.6%)を取得
IPBC  16.6%   - パプアニューギニア政府機関
Mineral Resources Development   2.8%   1.18% パプアニューギニア政府系企業
Petromin
(元の出資者のEda Oilが移管された)
  0.2%   0.24% パプアニューギニア政府系企業

日本パプアニューギニア石油は1990年6月設立で、事業目的はパプアニューギニアにおける石油、天然ガスおよびその他鉱物資源の探鉱・開発・採取ならびに鉱業権の取得・売買および貸借となっている。

政府が62.03%、新日本石油開発が36.41%、三菱商事が1.56%を出資する。

新日本石油グループは、オセアニア地域を石油・天然ガス開発のコア・エリアの一つと位置づけており、パプアニューギニアにおいては、1990年より原油の探鉱・開発に従事し、同国初の原油生産事業に参画してきた。
本LNG計画についてもその検討の開始段階からプロジェクトパートナーとして取り組んできた。


* 総合目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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