韓国の公正取引委員会は12月2日、液化石油ガス(LPG)供給会社6社が2003年から08年にかけての6年間にわたり、価格談合を繰り返していたとして、過去最高となる6,689億ウォン(約506億円)の課徴金を課すことを決定した。
このうち、自己申告した2社に合計2,596億ウォンが免除される。
対象となったのは、LPG輸入会社のE1 CorpとSKガス、販売会社のSKエナジー、GSカルテックス、現代オイルバンク、S-OILの合計6社。
6社は毎月のLPG供給価格決定に際し、事前に情報交換を行い、価格を同一水準に設定していた。
E1とSKガスの価格決定担当者が会合を持ち、双方の価格を確認したり、価格変動幅を協議したりし、残る4社は輸入2社から価格を通知されていた。LPG充てん所に低価格を提示し取引先を拡大する行為を行わないことでも合意していた。
公取委は昨年これらの会社がほぼ同時期に価格引き上げの動きを見せたことから調査に着手し、6社の役員が定期的な会合などを通じて価格引き上げ幅と時期を事前に調整していたことをつかんだ。
これらの会社が6年ほど前から価格などを談合して得ていた不当な利得は数兆ウォンに達するといわれる。
企業別の課徴金は以下の通り。
免除額 | 課徴金 | ||
E1 Corp | 1,894億ウォン | ||
GSカルテックス | 558億ウォン | ||
S-OIL | 385億ウォン | ||
現代オイルバンク | 263億ウォン | ||
SKエナジー | 1,602億ウォン | 0 | 最初に自己申告 |
SKガス | 994億ウォン | 994億ウォン | 2番目に自己申告 |
合計 | 2,596億ウォン | 4,094億ウォン |
これまでで最大の課徴金は2009年7月に携帯電話用半導体チップメーカーのクアルコムが自社モデムチップを使わない携帯電話メーカーに対して高いロイヤルティを課したこと、及びリベート提供などの不公正取引の容疑で課された2,600億ウォン。
公取委の鄭委員長は就任後初の記者会見を9月に開き、「大企業は韓国の経済発展の牽引車の役割を果たしてきた」と功労を認めた上で、「しかし、不当行為に対しては公取委の力量を集中して厳しく監視する」と述べた。
委員長は、「最大の課徴金の場合は、企業の利益ではなく、関連売上高を基準に10%を科す」とし、「一度の課徴金を科されると、企業の存立が危うくなることもある」と述べた。
政府は1997年に石油産業事業化の宣言して価格告示制を廃止し、事業者が自由に価格を決定するようにした。さらに2001年にはLPG業界の価格も自律的に決めるようにした。公取委ではLPGメーカーらは政府の政策を悪用したと判断した。
* 総合目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
コメントする