「ナフサ免税」継続

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峰崎副財務相と増子副経済産業相が12月3日、財務省内で会談し、2010年度税制改正の焦点となっているナフサに対する租税特別措置について、課税化を見送り、免税措置を継続することで一致した。

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石油化学工業協会は11月19日、政府税制調査会で租税特別措置の見直し等の一環として、ナフサ等石油化学原料の免税に手を加えようとする動きがあることに対し、重大な懸念を表明、非課税の原則が貫かれるよう強く要求するとする緊急決議を行った。

2009/11/20 石化協が緊急決議 「ナフサ等原料非課税の原則を守れ」

政府税制調査会(会長・藤井財務相)は11月20日、租税特別措置の存廃をめぐって本格的な議論をスタートさせた。

会合では、増子経産副大臣が、ナフサの免税措置について「製造業の基盤で、雇用確保にもつながっている。課税すれば国際競争力が著しく低下する」と主張。特例ではなく「本則化すべきだ」と、恒久化を要求した。
これに対し、査定側の古本財務政務官は免税措置の導入時と比べて円高が進み、原油の輸入価格が低下していることなどを挙げ、「ナフサをまったく議論もしない『聖域』でいいのか」などと反論した。

日本経団連の御手洗会長は11月24日の記者会見で、各種の租税特別措置の見直しに関し、「立法時の趣旨と違ったものや機能していないものはやめればいい」と理解を示す一方、技術革新を促す研究開発優遇税制や石油化学製品の基礎原料であるナフサへの免税措置については、「本則化し、恒久化すべきだ」との考えを示した。

11月30日の税調の会合では「保留」とされたが、財務省の古本政務官が「期限の定めがあるものから」と発言。事実上、揮発油税分の議論を先送りする意向を示した。

ナフサ等の課税には来年3月末に期限切れとなる石油石炭税と、期限を定めず免税となっている揮発油税があるが、後者の議論を先送りにするというもの。

  石油石炭税 揮発油税
税率 原油・石油製品 2,040 円/KL
[本則の税率]
   24,300 円/KL (国税)
  +4,400 円/KL (地方税)
     
[暫定税率]
  24,300 円/KL (国税)
  + 800 円/KL (地方税)
     
53,800 円/KL  
     
免税の
定め方
租税特別措置法で2年毎に延長
(来年3月末で期限切れ)
租税特別措置法で期限を定めず
に免税
免税
相当額
  約1,000億円   約3兆円

今回、石油石炭税についても免税としたもの。

ただ、政府税調内にはナフサ免税を問題視する意見が根強く、来年以降もエネルギー課税全体の議論の中で引き続き見直しを検討する。

 


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