住友化学は12月7日、100%子会社の大分ゼネラルサービス、日本エコアグロとともに、農業法人を大分県豊後大野市に設立すると発表した。高品質のトマトを栽培する。
3品種程度を栽培、パートを含め従業員十数人で、ビニールハウスで年間100~150トンを生産する計画。
同社は本年5月に長野県中野市でもイチゴを栽培する農業法人を設立している。
いずれも耕作放棄地を賃借し、住友化学グループの農薬、肥料、潅水チューブ、農業用ポリオレフィンなどの農業関連製品を用いる。
生産された作物は日本エコアグロを通じて販売する。
社名 | 株式会社住化ファーム長野 | 株式会社住化ファームおおいた(仮称) |
所在地 | 長野県中野市 | 大分県豊後大野市 |
資本金 | 96百万円 | 300 百万円 |
出資比率 | 住友化学 30% 日本エコアグロ(住化100%) 70% |
住友化学 37% 大分ゼネラルサービス(住化100%) 53% 日本エコアグロ(住化100%) 10% |
栽培面積 | 1ha(耕作放棄地を所有者から賃借) | 借地 1.76ha(うち耕作放棄地活用1.06ha) 施設面積 1ha |
栽培作物 | イチゴ | 高品質のトマト |
栽培システム | 隔離土耕 | 隔離土耕等 |
販売 | 日本エコアグロ | 日本エコアグロ |
その他 | 住化グループの農薬、肥料、潅水チューブ、農業用ポリオレフィンなどの農業関連製品使用 |
住友化学は、グループ企業も含め、農業関連製品を幅広く取り扱っており、最近は独自に開発した「農業経営支援システム」の提供をはじめ、ニーズが高まりつつあるIPM(Integrated Pest Management:総合的病害虫管理)やICM(Integrated Crop Management:総合的作物管理)の観点もふまえ、安全安心で効率的な農業生産を総合的に支援する「トータル・ソリューション・プロバイダー」ビジネスを展開している。
「農業経営支援システム」は住友化学が独自に開発したシステムで、農業生産者はパソコンで、栽培履歴や生産コストの管理を行うことができるほか、農薬散布や施肥に関して適した剤や時期の情報を取得が可能。
同社ホームページの「i農力」サイトは,農薬、肥料、気象など農業に関する様々な情報やそれに関するサービスを会員に無料で提供している。
同社では、自ら農業法人を設立・運営することで得られる栽培技術や農業経営のノウハウも生かしながら、地域農業の活性化に貢献していく考え。
全国10カ所に農業事業子会社を設立して直営農場を経営するほか、20~30カ所の農場に生産を委託する。
作物は百貨店など大手小売りに直接販売する。2015年度に50億円の売上高を目指す。
全国規模で農地を確保して異業種参入するのは大手製造業で初めてとなる。
九州ではJR九州が同じ大分県内で来年4月からニラを生産するほか、西部ガスも北九州市で取り組んでいるリーフレタスの生産能力を倍増させる。
「住化ファームおおいた」の設立に当たっては、大分県と豊後大野市の協力を得て農場候補地の選定を行い、同市内の耕作放棄地等を活用する。
地権者と締結する土地の賃借契約については、改正農地法施行後に締結を予定しており、改正農地法の第一号案件になる見込み。
改正農地法は2009年6月17日参議院本会議で可決成立、2009年12月末までに施行される。
改正法は、「農地耕作者主義」をやめ、食糧の自給率向上や環境保全などに重大な障害を持ち込むおそれを回避できる「効果的および効率的な農地の利用」を目指している。
食料の安定供給を図るための重要な生産基盤である農地について、転用規制の見直し等によりその確保を図るとともに、農地の貸借についての規制の見直し、農地の利用集積を図る事業の創設等によりその有効利用を促進する。
日本エコアグロは住友化学の100%子会社で、事業内容は以下の通り。
・栽培農家・産地に対する土壌診断、肥料や資材の提案・販売
・当社独自のIPM防除プログラムの提案・販売
・各種栽培技術による栽培支援
・農産物の企画の提案、流通と販売
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
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