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中国自動車工業協会の1月11日の発表では、中国の2009年の自動車販売台数は前年比46.15%増の1364万台となり、初めて世界一となった。うち、乗用車が1033万台(52.93%増)、商用車が331万台(28.39%増)であった。
生産は1379万台(前年比 48.30%増)で、乗用車は1038万台(54.11%増)、商用車が341万台(33.02%増)。
米国の調査会社の調べでは、米国の新車販売は1043万台で、前年比21.2%減となっている。
月次では2009年1月に初めて米国を追い抜いている。
協会の事務局長は次のように述べた。
ここ数年来、中国のマクロ経済は持続的な急成長を遂げ、国民の生活レベルが徐々に向上している。
人口が多いため、人口あたりの自動車保有台数は少ないが、巨大な潜在的購買力が中国自動車工業の急成長を牽引するエンジンとなり、自動車工業は国民経済の重要な基幹産業となった。
今後10年間は 急成長の発展傾向を維持することが予想される。
中国の自動車販売の伸びは政府の消費刺激策によるところが大きい。
中国政府は2009年に入り、「汽車下郷」(農村部に自動車を)制度をスタートさせた。三輪自動車などを廃車とし、5万元以上の軽トラックや軽自動車に買い換える場合は5,000元を上限に、購入金額の10%を補助金として支給するという制度である。
5月には「汽車下郷」に自動車買い替えが追加され、自動車買い換えの財政補助をこれまでの10億元から50億元まで枠を拡大した。
中国政府は2009年12月9日の国務院常務会議で、消費刺激策の1年延長を決めた。
低排気量車の購入税減税や、農村部での自動車普及策の延長を決定。また「家電下郷」政策についても、対象製品の限度額を大きく引き上げることなどを打ち出した。
自動二輪車への補助金支給は、2013年1月31日までとする。
排気量1600cc以下の乗用車について、購入税の減税措置を2010年末まで延長。
(但し、低排気量車の購入税率を現在の5%から7.5%に引上げる。)
自動車の買い替え支援策に対する補助金の支給額を、現在の3,000~6,000元から、5,000~18,000元まで引き上げる。
中国の調査会社は2010年の自動車販売台数を1513万台と予想している。
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1月10日のテレビ東京の「日高義樹のワシントン・リポート」は「2010年日本と世界に大変動か~キッシンジャー博士に聞く」であった。
米国も欧州も日本も不景気が続くのに、どうして中国だけが成功したのか、との質問に対する博士の答えは、リーダーシップであった。
米国の場合、短期的視点で延々と議論するのに対し、中国では公的資金を長期的視点で迅速に有効に配分したのがうまくいったとする。
確かに、膨大な額の景気刺激策を早期に決めたことが大きい。
潜在需要の大きい農村部に限って、家電や自動車に補助金を出すというのは、米国でも日本でも反対が出て、決められないであろう。
ただし博士は、中国のやり方では今後、問題が起こることもあろうともしている。
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温暖化対策事業で米国が先頭を切らないといけないのに、石油業界など既存勢力の反対で遅々として進まず、このままでは新成長分野を他国(中国も含め)に支配されると嘆き、"China for Day (but Not for Two)"という1章を書いている。
「2日はいやだが、1日だけなら中国になりたい」というもので、米国では何年もかかる案件、レジ袋の有料化、ガソリン無鉛化、自動車燃費規制、等々をトップダウンの命令で直ちに実施したことを取り上げ、中国のやり方を(その部分だけは)羨ましく思っている。
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2009年の乗用車生産のTOP 10は以下の通り。
上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling ) | 976,808台 | 上海Automotive Industry/GM |
Shanghai Volkswagen | 729,007 | |
Shanghai GM | 727,616 | |
FAW Volkswagen | 682,374 | 第一汽車集団/Volkswagen/Audi |
Chag'an Motors | 654,467 | Chang'an Suzuki、Chang'an Ford |
Beijing Hyundai | 570,880 | |
東風日産(Dongfeng Nissan) | 578,327 | 東風汽車集団/日産自動車 |
比亜迪 (BYD) | 435,633 | Warren Buffett 10%出資 |
FAW Toyota | 435,512 | 中国第一汽車集団/トヨタ |
奇瑞汽車(Cherry) | 432,962 |
このうち、比亜迪(BYD)は王伝福が1995年にリチウムイオン電池製造販売のために設立した会社である。
社名は Build Your Dream から付けた。
現在、リチウムイオン電池の製造で世界第3位で、携帯電話用では世界第1位のメーカーである。
同社は2003年、倒産した中小自動車メーカーの西安秦川汽車有限責任公司を2.7億元(約40億円)で買収し、自動車産業に参入した。
BYD自動車部門は小型車を中心に順調に業績を伸ばし、強みである電池との究極のシナジーをめざして電気自動車の開発に乗り出した。2008年12月、世界初のプラグインハイブリッドカー比亞迪F3DM を発売した。
2008年9月、米国の著名投資家であるWarren Buffettが2億3000万ドルを投じてBYDの約10%の株式を取得した。
Buffett氏は、「新エネルギーは大変重要な分野だ。すでに風力発電には参入しているが、今後はBYDとともにエコカー分野に積極的に打って出たい」としている。
フォルクスワーゲンは2009年5月、BYDとリチウムイオンバッテリーを使用したEVやハイブリッド車の開発で提携すると発表した。
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付記
比亜迪(BYD)は1月12日、電気自動車「e6」を年内に米国市場に投入すると発表した。5人乗り、最高時速140kmで、1回の充電で最大330km走れるという。
目次、項目別目次
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各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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