DSM とNovomer Incは1月21日、CO2を原料とする画期的な塗料用レジンを共同で開発する契約にサインしたと発表した。
2007年11月にDSM子会社のDSM VenturingがNovomer に出資し、協力契約を締結したのに続くもので、NovomerのユニークなCO2ポリマー化技術とDSMの技術及び営業力を結合する。
NovomerがCO2とプロピレンオキサイドからポリプロピレンカーボネートをつくる技術を担当、DSMはポリマーを塗料や接着剤など用のレジンに加工する。
ポリプロピレンポリカーボネート等のポリカーボネートレジンは塗料等に使用されるが、コストが高く、製品固有の弱点もある。
今回の新しいCO2ベースの脂肪族ポリカーボネートはこれらの弱点を解決する。
NovomerはCornell UniversityのDr. Geoff Coatesが開発した触媒技術を使用し、CO2とエチレンオキサイドからポリエチレンカーボネートを、CO2とプロピレンオキサイドからポリプロピレンカーボネートを作る技術を開発している。
前者は重量で50%のCO2を含み、後者は43%のCO2を含んでいる。
同社はポリプロピレンカーボネートをNB-180 の商品名で販売している。
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二酸化炭素からプラスチックなどの高分子をつくる技術は東京理科大学の井上祥平教授(東大名誉教授:当時、東大助教授)と東大の鯉沼秀臣客員教授(当時、東大大学院生)が約40年前に見つけた。
井上教授 ECO JAPAN インタビュー 2007/5/29
私がこれを最初に発見したのは1968年、もう40年近く前のことです。これまで、私だけでなく、多くの研究者がこの理論をベースに、有効活用できるCO2由来の高分子を得られないかと研究を続けていますが、残念ながら実用化には至っていません。その理由はすでに多種多様なプラスチックが開発されていることに尽きますね。競合相手がたくさんいる中で選ばれるには、よほどの特徴がなければ難しいということです。
2007年に中国海洋石油の子会社の中海石油化学が生分解性プラスチック製造のため、海南島東方市の化学産業都市で年間 3,000トンのポリプロピレンカーボネートプラントの建設を開始した。
中国科学院・長春応用化学研究所が独自に開発した特許技術を使用している。
(元の技術は1969年の S. Inoue の発明による)
なお、内蒙古の蒙西高分子材料有限公司が長春応用化学研究所からライセンスを受け、内蒙古のオルドスに年産 3,000トンの工場を持ち、2002年12月に販売開始している。
2007/8/20 中国のCNOOC子会社が生分解性プラスチック製造
東京大学、住友化学などの産学チームは2007年9月、二酸化炭素からプラスチックを作ることに成功し、量産技術の開発を始めると発表した。
野崎京子東大教授らが新しい触媒で耐熱性を改善し実用化のめどをつけたもので、新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援を受けて、2012年度にも実用化する。
2007/9/14 ニュースのその後 CO2からプラスチック
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各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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