2009年12月30日、中国石油天然気(ペトロチャイナ)の蘭鄭長・石油パイプライン(甘粛省蘭州―河南省鄭州―湖南省長沙)完成後の輸送開始の過程で、渭南ライン(陝西省渭南市)で漏れが発生した。
ペトロチャイナがディーゼル油の輸送量に異常を発見し、輸送停止した後、漏出がわかった。
15万リットルのディーゼル油が漏れ、そのうち10万リットルが渭南ステーションから約2.75km離れた地点で黄河支流の赤水河(Chishui)に流入、更に渭河(Wei)にも流入していた。
第三者による破壊行為の可能性が噂されたが、ペトロチャイナはこれを否定している。
ペトロチャイナでは油が黄河に入るのを防ぐために、川の23カ所に油ブロックベルトを設け、当局も3カ所にfloating damを造った。陝西省渭南市では700人以上が水路を掘り、黄河への流入を防ぐ努力をした。
しかし、汚染は黄河にまで広がり、河南省鄭州市にある鞏義大橋より西の流域で基準値を超える水質汚染が確認された。
河南省西部の三門峡ダムでは1月2日以降、汚染された黄河の水が流出するのを防ぐため発電を停止した。
中国当局は1月5日、飲用水の水源となっている黄河の支流、赤水河と渭河が「深刻な汚染」に見舞われており、水質の汚染がますます進んでいると発表した。
両河川の水質は、4日には中国の水質管理基準で最悪レベルのレベル5に達した。レベル5の水は、農業用水に利用できるが、飲用には適さないとされている。
黄河流域の各市は監視ステーションを設置し、毎時水質をチェックしている。
ディーゼル油が漏れた場所では1000m2の土地が10m掘られ、汚染土壌を除去、他の場所からの土で埋め戻された。
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中国では2005年11月にペトロチャイナの子会社・吉林石油化学の事故により、ベンゼンが流出して松花江の水質が汚染され、大問題となった。
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