中国国家発展改革委員会(NDRC)は昨年12月、浙江桐昆集団(Tongkun Group) 子会社の嘉興石油化学の年産80万トンのPTA計画を承認した。
30.4億人民元を投じて浙江省嘉興市の乍浦経済開発地区に建設するもので、2012年上期のスタートを目指す。
桐昆集団は浙江省嘉興市に本拠を置く私企業で、PETチップとPET繊維を主事業としている。
同社は2009年にPETチップ 286千トン、PETフィラメント 124万トンを生産した。
このほか、不動産、金融、教育、貿易なども行っている。
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この計画には当初、韓国ロッテグループのKP Chemical が参加することで検討してきた。
しかし、KP Chemical は同社の投資方針の変更で昨年この計画から撤退した。
KP Chemical は2001年に経営不振に陥った大手繊維と化学メーカーの高合(Kohap Corp) からスピンオフして設立され、2004年にロッテグループのホナム石化が買収した。
蔚山でパラキシレン(750千トン)、PTA(950千トン)、PET(450千トン)、PIA(高純度イソフタル酸 200千トン)を有している。
同社は石油会社から混合キシレンを購入し、パラキシレンとメタキシレンを生産、パラキシレンからPTA→PET、メタキシレンからPIAを生産している。
製品の90%以上を輸出している。
同社は2009年6月、ICI Omicron からパキスタン唯一のPTAメーカーPakistan PTAの株式75%を買収した。
Pakistan PTAは能力400千トンで、2002年から生産している。
ICI OmicronはICIの子会社であったが、Akzo Novel がICIを買収した際に、これも買収した。
Akzo Novel は今回の売却について、この事業はAkzoの他の事業と合わないとしている。(AkzoはICI本社の買収に際し、塗料事業以外は全て売却している)
2007/8/13 Akzo が ICI を買収
KP Chemical は海外進出戦略として桐昆集団との合弁での中国進出を図ったが、Pakistan PTAの買収でパキスタンに方向を変更したものと思われる。
なお、韓国のPTAメーカーは以下の通り。(能力は2009/5現在、千トン)
会社名 | 立地 | 能力 |
KP Chemical | Ulsan | 950 |
Sam Nam Petrochemical | Yeochun | 1,700 |
Samsung Atofina | Ulsan | 1,100 |
Daesan | 700 | |
SK Chemicals | Ulsan | 520 |
Taekwang Industrial | Ulsan | 1,000 |
Hyosung Corporation | Ulsan | 410 |
Total | 6,380 |
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