Saudi Aramco、ジザン製油所建設へ

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サウジ初の民間企業が建設する製油所として、多くの内外企業が関心を示していたJizan (Jazanの表記もある)製油所は、結局Saudi Aramcoが建設することとなった。

石油鉱物資源省は1月19日、サウジ国王の承認に基づき、Saudi Aramcoが出来るだけ早く ジザン製油所を建設するよう指示されたと発表した。

当初、製油所建設は100%民間資本で行うこととなっており、同省では入札を発表、サウジの8社と海外の45社が候補となった。

候補には以下のコンソーシアムがある。
TasneeSaudi Nama Chemicals GroupSaudi Advanced Refineries and Petrochemicals のチーム
Corral PetroleumArabian Peninsula のチーム(いずれもサウジのMohammed al-Amoudiが所有)

同省では各社の努力に感謝するが、事業規模や現在の状況により、この重要な計画をSaudi Aramcoにやらせることとしたとしている。

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アブドゥラ国王は2006年11月、総額300億ドルのジザン経済都市構想を発表した。
非石油産業の育成、十分な雇用機会、教育施設及び住宅の提供を目指した戦略の一環である。

経済都市構想の第一号事業は2005年12月に発表されたラービグ経済都市で、Petro-Rabighが建設された。

第二号事業は2006年6月にPrince Abdul Aziz bin Mousaed 経済都市(別名Hail 経済都市)で、運輸・兵站・食品関連作業に対象を絞っている。

第三号事業はMadinah経済都市(ITや医療企業を含む調査・研究を重視した知識基盤産業の誘致を目指す)。
第四号事業は
Um Al-Qura 経済都市(Makkah economic city)。

ジザンはサウジの南西端のYemenとの国境近くにある。


ジザン経済都市では、マレーシアのエネルギー・運輸コングロマリットのMMCとサウジのビン・ラディン・グループが主たる開発者となることが決定している。

新港、鉄道、高速道路、居住地区、不動産事業向けの巨額のインフラ投資が予定されており、新工業地帯に全敷地面積の2/3が割り当てられる。同工業団地には、港湾、アルミ精錬所、製鉄所、製油所、銅精錬所や漁業施設、その他アグロ産業が配置される。

近くには油田はなく、SABICが30年契約で原油を供給することとなっていた。

製油所の規模は日量25万~40万バレルで、一次FSの結果では採算面から石油化学(ナフサ原料)を含める方がよいとされている。

製油所の建設費は少なくとも100億ドルはかかると推定されている。

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サウジの製油所は以下の通り。(千バレル/日) 
      
は計画
立地 事業者 能力 完成 備考
Khafji Aramco  30
Jeddah Aramco  80
Ras Tanura Aramco 550
400 2013 Dow/Aramco 石化JV計画
Riyadh Aramco 130
Yanbu Aramco 230 2010年に330千バレル/日へ
Aramco/Mobil 400
Aramco/Conoco 400 2013
Rabigh Aramco   80 2008年にPetroRabighに移管
Al Jubail Aramco/Shell 305
Aramco/Total 400 2012
Jazan Aramco 右記  ? 能力 250400

(ソース http://www.pecj.or.jp/japanese/jpecnews/pdf/jpecnews200903.pdf )


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