2009年 中国の合成樹脂輸入

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2009年の中国の輸入統計が発表された。

2008年は一部を除き前年を下回ったが、2009年は軒並み大きく増加している。
PE、PPはいずれも過去最高となった。
ABSは過去最高の2007年(2,173千トン)とほぼ同じ2,168千トンとなった。

PVCも2001年(1,916千トン)、2003年(1,759千トン)に次ぐ史上3位で、2004年以降の最高である。

輸入数量の大幅増加は「家電下郷」「汽車下郷」などの景気刺激策によるものと思われる。

そのなかで、PSのみ前年比マイナスで、数量も913千トンと、この10年で初めて100万トンを下回った。

下の表(単位:千トン)は各樹脂の主要輸入元の数量だが、重要な点がいくつかある。

  LD LL HD PP PS ABS   PVC
日本 118
(9%)
145
(7%)
184
(5%)
269
(6%)
31
(3%)
94
(4%)
408
(24%)
韓国 154 299 859 1,115 147 734 140
台湾 30 93 290 562 294 1,014 353
USA 97 318 496 493 3 13 303
サウジ 67 382 385 441 1 2 0
シンガポール 57 314 111 190 60 2 0
イラン 103 56 342 41 0 8 0
その他 724 593 1,191 1,050 377 301 511
合計 1,349 2,201 3,859 4,162 913 2,168 1,715
   
1) 日本からの輸入量が非常に少ない。
上の表の%は全輸入量に対する日本品の比率だが、PVCを除き、非常に少ない。
   
2) 韓国、台湾からの輸入がかなり多い。
この2国は生産量のかなりの部分を中国向けに依存している。
今後、中国の輸入が減少した場合、存亡の危機となり、日本に流入する可能性もある。
   
3) 米国品の急増
2009年に米国品が急増した。米国内の需要の減少を受け、中国に輸出した。
   
4) イラン品の流入
  これまでほとんどなかったが、2009年にPE、PPなどの大量輸出を行った。
イランも石油化学増設を続けている。
   
5) 上の表のほか、LDPEでロシア、カタール、PPでインド、ブラジルなどからの輸入が増えている。

シンガポールやサウジも石化の大増設を行っている。
世界中が中国市場を狙っており、競争の激化による価格下落が懸念される。
   
6) 中国での景気刺激策終了による需要の減少、大規模コンプレックス完成による生産の増加で輸入が減少した場合、大混乱が懸念される。
   

 


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