ダウとBASF、スチレン系事業売却へ

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ダウは昨年7月にスチレン系事業の売却のため、売却対象の事業をまとめ、Styron, Inc と称する子会社にする考えを明らかにした。

CEOAndrew Liverisは、それにはSMPSABSSANポリカーボネートが含まれ、売却額を1020億ドルとみていると述べた。
同社は
2007年にChevron PhillipsとのSM/PSの50/50JVAmericas Styrenicsを設立し、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含める。

これに対して、 Bain CapitalTPG Capital LPApollo Management LPRhoneどの投資会社が手を挙げた。
報道によると、韓国のロッテグループもこれに関心を示してる。

ダウは111日に、買い手候補をしぼるため、各社に買収の意向の確認を求めた。その結果、候補先にdue diligence のために資料を開示しているといわれている。第1四半期中の売却を狙っている。

なお、CEOAndrew Liverisは2月2日の第4四半期決算発表のインタビューで質問に答え、塩素/EDC/VCMについてもAsset Light戦略(=PVCメーカーとのJV)を検討する意向を明らかにした。発言は以下の通り。

ダウは長期的にはEDC/VCMを外販しない。信越とのパートナーシップは2011年(信越のルイジアナ州のVCM/PVC新工場の2期完成のことか?)には明らかに終了する。

ダウにはユーティリティ、インフラ、原料ガスなど、強みがある。
塩素の多くは、同じ立地にある機能性製品の事業に使用される。
しかし、クロルアルカリは資本集約的事業で、ダウの大規模設備は有利であり、PVC業界とのパートナーシップも探求する。塩素でもAsset Light戦略を行う積もりだ。

EO/EGはJV化を実施済みで、 Styrenicsも設立した。間もなくStyron売却する
PE、エチレンも現在、パートナー3候補とJVを交渉している。急がずじっくりやる。塩素はその次だ。

* PE、エチレン等については、噂では、クウェートのPetrochemicals Industries (PIC)に代わるダウの新しい提携先として、SABIC、Oman OilSaudi ArmacoAbu Dhabi's International Petroleum Investment が挙がっている。    

2009/1/7 ダウ、「変身戦略」を続行

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BASFは20077月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。
売却対象は、
SMPSABSSBS (スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)と、それらのコポリマー。
利益率が低く、原料の動向に左右されるコモディティからの離脱を狙った。

その後、売却準備を続けてきたが、全くまとまらなかった。

2008/8/20 BASF、スチレン系事業の売却準備 進める

ここにきて状況が変わってきた。投資会社に事業買収の動きが出てきた。

BASFではダウのやり方を真似しようとしている。

同社の売却対象事業は売上高が30億ユーロ(42億ドル)で、従業員は1600人。
売却高は
10億ユーロから15億ユーロになるとみられている。


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