British Airwaysは2月15日、米国のSolena Groupと組んで、欧州で最初の持続可能ジェット燃料プラントを建設し、2014年から使用燃料の一部を低カーボン燃料とする計画を発表した。
プラントは東ロンドンに建設し、これまで埋め立てられてきた年間50万トンの食品などの有機廃棄物から1600万ガロンのグリーンジェット燃料をつくり、化石燃料と比較し95%の温室効果ガスを減らす。
Solena Groupの技術はプラズマガス化技術(Solena Plasma Gasification technology)で、バイオマスを5000℃に熱してガス化し、クリーンなBioSynGasをつくり、これをFischer Tropsch法でバイオジェット燃料とバイオナフサに変換するもの。
バイオナフサは燃料に混ぜたり、石油化学原料として使用する。
同時に20MWの発電が行われるが、これは電力会社に売ったり、地域暖房に使用される。
唯一の固形廃棄物はセメントの骨材として建設用に使用する。
使用される年間50万トンのバイオマスは現在は埋め立てられており、これにより年間36百万ポンドの節約にもなる。
また、本計画で1200の新規雇用が行われる。
Solena GroupではBioSynGasで発電をしたり、藻類からBioSynGasをつくり、ディーゼルやジェット燃料を生産している。
同社は2008年1月、スペインでECOTEKと組んで、廃棄物を原料に15MWの発電を行う計画を発表した。
また、同年3月には、カリフォルニア州Gilroyで、農業・林業廃棄物や都市の廃棄物からディーゼル油を製造し、精製してジェット燃料にする計画を発表した。カリフォルニア州の大手ゴミ収集企業Norcal Waste Systemsから、家庭ゴミの安定した供給を受ける。
このほか、多くの計画がある。
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この計画に対して2月15日のFinancial Times は以下のように皮肉っている。
年間1600万ガロンのジェット燃料はHeathrow空港のBAの使用燃料の2%に過ぎない。
ロンドンの年間の有機廃棄物の量は300万トンで、BAの計画の50万トンは1/6であるが、うち100万トンは既に有効活用されている。
更にロンドン市長は廃棄物からの燃料製造計画を推奨しており、Ineos なども英国と米国で廃棄物からの燃料製造の大規模計画を打ち出している。(下記)このため、“peak oil” より先に“peak waste” が来るのではなかろうか。
これからは市民はゴミを捨てるのに金を払うのではなく、金を受け取れるようになるのではないか。
貴重なジャガイモの皮、バナナの皮を盗まれないように、ゴミ箱を家のなかに置くことが必要になるのは間近か?
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Ineos は2008年7月、生分解性の都市ゴミから2年以内にバイオエタノール燃料を製造すると発表した。
都市の生ゴミ、有機産業廃棄物、農業残渣から大量のバイオエタノールを製造する技術を開発した。
INEOS Bio Ethanol
はガソリンと比べ、温室効果ガスの排出が90%少ない。1トンの乾燥廃棄物から400Lのエタノールが製造できる。
既にパイロットプラントで実証済みで、廃棄物を熱してガスとし、バクテリアの働きでエタノールとし、それを精製する。
同社は2009年4月、INEOS
ChlorVinylsがRuncornで “Energy
from Waste CHP”工場を建設することを明らかにした。
(CHPはCombined Heat and Power)
Greater Manchester Waste Disposal
Authorityと契約し、都市ゴミのうちのリサイクル不能分の供給を受け、“Energy
from Waste CHP”工場で処理し、隣接のINEOS
の工場の操業用に電気と熱を供給する。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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