韓国公正取引委員会は2月4日、11社の焼酎会社が2度にわたり焼酎の出荷価格を事前に談合、販促活動と景品の条件に合意していたことを確認し、是正命令とともに272億ウオン(約22億円)の課徴金を課した。
業界1位の真露が166.8億ウオンで、他に舞鶴(26.3億ウオン)、大鮮酒造(23.8)、宝海醸造(18.8)、金福酒(14)、そんやん(10.5)など。一部の焼酎は価格差別のために努力した点が認められ、除かれた。
業界側は審決過程で、酒税法に基づく国税庁の行政指導に沿って価格を調整したのを談合と見なすのは不当だとした。
公取委は国税庁の行政指導自体に対する判断は下さなかったが、焼酎会社が行政指導を口実に談合したとし、「政府機関の行政指導を口実に行われる談合行為も決して容認しない」としている。
但し、公取委は当初の審査報告書で2,263億ウォンとしていた課徴金を1/10の272億ウォンに引き下げた。
公取委では、「制裁水準を決定する過程で、焼酎会社が政府の物価安定対策に基づいて値上げ幅を調整しようと努力した点を勘案した」と説明している。
業界1位の真露は焼酎市場のトップの座に君臨してきたが、無理な事業拡張とアジア通貨危機のあおりで1997年に経営破綻した。
麒麟麦酒やアサヒビールが韓国企業と組んで買収に乗り出したが、最終的には2005年にハイトビール(朝鮮麦酒)の傘下となった。
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韓国公取委は昨年12月にLPGカルテルに過去最高となる6,689億ウォン(約506億円)の課徴金を科した。
2009/12/7 韓国のLPGカルテルで過去最高の課徴金
公取委はこのほか、国内外の航空会社による貨物運賃、ガソリンスタンド、焼酎、大学授業料、オンライン音楽サイトなどに談合の疑いがないかどうか、調査を進めていた。
韓国公取委はまた、中国に進出した韓国企業が、中国の独占禁止法による被害を受ける可能性を踏まえ、徹底的な事前準備を進める意向を表明した。
公取委委員長は昨年11月、「建設、造船など一部業種でカルテルが体に染みついた慣行として残っているが、外国の競争当局に発覚すれば課徴金が多額に上る」と警告した。
韓国企業ではこれまで米国で、LGディスプレーの4億ドル(液晶パネル)、サムスン電子の3億ドル(DRAM)など、納めた課徴金は総額1兆8000億ウォン(約1380億円)に上るが、委員長は「公取委が明確な基準を示し、企業に訓練を積ませる機会を与えるのが遅れたため」とし、今後は企業のカルテルに対し、さらに厳しい制裁を加えると同時に、中国進出企業が現地の法律を知らずに制裁を受けることがないよう、企業教育などの対策を講じる方針としている。
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日本では経済産業省が1月29日、「競争法コンプライアンス体制に関する研究会報告書 ~国際的な競争法執行強化を踏まえた企業・事業者団体のカルテルに係る対応策~」を公表した。
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韓国大法院(最高裁)は2月11日、石油精製大手のS-OILが石油価格の談合に絡み、公正取引委員会から受けた是正命令などの取り消しを求めた訴訟で、原告勝訴の判決を言い渡した。
公取委は2007年4月、S-OIL、SK Energy、Hyundai
Oilbank、GS
CaltexGSの4社が2004年の4-6月に談合して値上げを行ったとして、合計526億ウォン(45.5百万ドル)の課徴金を課した。
SK Energyが最大の192億ウォン、GSが162億ウォン、Hyundaiが93億ウォン、S-Oil
が79億ウォンであった。
このうち、S-OILは談合を否定、ソウル高裁に処分取り消しを求めた。
ソウル高裁は2008年に談合の詳細な証拠がないとして公取委の処分を取り消した。
公取委は上告したが、今回大法院は同じ理由で高裁の判決を支持、S-OILが払った課徴金79億ウォンの返還を命じた。
他3社は公取委に取消を求めたが、公取委は却下、現在、ソウル高裁で審査中。
3社についても同様の結果が出ることが予想され、今後の同様の事件への影響がある可能性がある。
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