Global Wind Energy Council (GWEC) は2月3日、2009年の世界の風力発電の状況を発表した。
世界の風力発電能力は不況にもかかわらず、2009年に31%、37.5GW 増加し、157.9GWとなった。
2009年 新設 (MW) |
2009年末 能力 (MW) | |
欧州 | 10,526 | 76,152 |
アジア | 14,639 | 38,909 |
北米 | 10,872 | 38,478 |
その他 | 1,429 | 4,360 |
世界合計 | 37,466 | 157,899 |
USA | 9,922 | 35,159 |
Germany | 1,917 | 25,777 |
China | 13,000 | 25,104 |
Spain | 2,459 | 19,149 |
India | 1,271 | 10,926 |
Italy | 1,114 | 4,850 |
France | 1,088 | 4,492 |
UK | 1,077 | 4,051 |
Portugal | 673 | 3,535 |
Denmark | 334 | 3,465 |
Canada | 950 | 3,319 |
Netherlands | 39 | 2,229 |
Japan | 178 | 2,056 |
Sweden | 512 | 1,560 |
増加分の1/3は中国が占め、中国の年末能力は前年比で倍増となった。
中国では、風力発電装置メーカー乱立での製造能力の過剰が問題となっている。
2009/10/19 中国政府、過剰能力是正に注力
2月22日のChina Daily によれば、風力発電装置メーカーは2004年に6社であったが、昨年には70社以上となった。
研究開発が不十分で計画性もなく、拡大と同時に品質劣化が目立つ。販売されるタービン翼の70%が37.5mで、期待される電力を出せない。
タービン翼の価格は2004年から3割下がり、メーカーの利益率は大幅に低下している。
2009年末能力の第1位は米国、2位がドイツ、3位が中国で、日本は2GWで、オランダに次ぐ13位。
4位のスペインに次ぎ、インドが5位に入った。インドは日本の能力の5倍にも達している。
米国については年初には新設は減少すると予想されたが、「再生可能エネルギーの供給量を今後3年で倍増する」というオバマ大統領の方針を受け、大幅増加となった。
参考 2009/11/7 中国企業、米国で風力発電事業
欧州でも増加し、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、英国がそれぞれ1GW以上の増加となった。
なお、欧州では、スペイン政府の補助金制限や、金融危機、厳冬の影響で、「太陽電池バブル」が崩壊している。
2009/9/16 欧州で「太陽電池バブル」崩壊
日本の風力発電の状況は下記を参照。
2009/12/30 出光興産、風力発電に進出
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