アラブ諸国、太陽エネルギー輸出国に?

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中東のビジネス情報会社 Zawaya は28日、アラブ諸国が石油に次いで太陽エネルギーの輸出国になるとのアラブのエネルギー専門家の分析を報告した。

20097月、シーメンスやドイツ銀行など欧州の大手企業12社はアフリカ北部のサハラ砂漠などに大型の太陽熱発電施設を設置し、欧州に送電するDESERTEC Industrial Initiative の実施で合意した。総事業費は4千億ユーロ。将来は欧州の電力需要の15%をまかなう計画。

2009/7/17 DESERTEC プロジェクト スタート

欧州企業連合によるDESERTEC Industrial Initiativeに対して、地中海連合(Union for the Mediterranean)が2008年に打ち出したMediterranean Solar Plan (MSP) が動き出している。

2008年7月の同連合のパリサミットで、「代替エネルギーの研究開発と市場開発は持続可能な発展への優先課題であり、Mediterranean Solar PlanのFS、開発を行い、実施する」と発表された。

この計画は2020年までに北アフリカや中東に合計能力 20GWの再生可能エネルギーでの発電を行うもの。

Immediate Action Plan は以下の通りで、うち、54%をCSP(集光型太陽熱発電)、40%を風力発電を考えている。

一部を現地の消費に当て、残りを海底ケーブルで欧州に輸出するというもので、チュニジア・イタリア間、トルコ・ギリシャ間の連結を前提としている。
2020年
までの所要資金は380~460億ユーロと見られている。

地中海連合は、2008年7月13日に地中海周辺諸国16カ国とEU加盟 27カ国の43か国がパリで首脳会議を開き、正式に発足させた。

最初にフランスのサルコジ大統領が地中海沿岸諸国の共同体として提唱したもので、サルコジ大統領はトルコをEUに入れさせたくないために、別の共同体を提案したといわれている。

2008年に入り、サルコジはEU内に広がった反対論を受けて案を修正、その後のドイツのメルケル首相との会談で、地中海沿岸諸国に限らず、既存のバルセロナ・プロセスに基づいて地中海連合を設立することで合意した。

1995年11月、バルセロナでのEU・地中海諸国外相会議で、EU15ヵ国と地中海11ヵ国・1自治政府(うちキプロス、マルタはその後EUに加盟)が新しいパートナーシップを構築することに合意、バルセロナ・プロセスと呼ばれる。

トルコも地中海連合をEU加盟の代替案としないという言質をフランスから得たことを受けて、参加に同意した。

首脳らは、地中海での汚染問題への取り組みや航路拡大、太陽エネルギーの開発などでは意見が一致したが、中東和平問題に関しては全体としての方向性を示すことはできなかった。

地中海連合の参加国は以下の通り。(青字赤字はバルセロナ・プロセス加盟国)
EU 27カ国 オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、
フィンランドフランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリー
ラトビア、リトアニア、
ルクセンブルグ、マルタオランダ、ポーランド、ポルトガル
ルーマニア、スロバキア、スロベニア、
スペインスウェーデン英国
アラブ連盟
 8カ国
 +オブザーバー
アルジェリア、エジプト、ヨルダン、レバノン、モロッコ、パレスチナ自治政府、 
シリア、チュニジア
、モーリタニア、
(オブザーバー)リビア                                
その他 8カ国 アルバニア、ボスニア・ヘルツゴビア、クロアチア、モナコ、モンテネグロ、トルコ、
イスラエル

 

中東や北アフリカの諸国は、個別にもいろいろの計画を立てている。

UAE  
  アブダビ首長国は、太陽光、風力など再生可能エネルギーを中心に据えたMasdar Initiativeに注力している。

2008年11月、コスモ石油はMasdar と共同で、三井造船に対し、集光量100キロワットのビームダウン式集光太陽熱実証実験プラント建設を発注したと発表した。

2009/3/18 アブダビのMasdar Initiative

最近、Masdarは新しい計画を打ち出している。

 
BahrainNational Oil and Gas Authorityと組んで、同国の石油・ガス事業での温室効果ガス排出削減
 ・デンマークの
DONG Energy、ドイツのE.ON と組んで英国で630MWの風力発電
 ・
SeychellesMahé島で風力発電計画を検討

   
サウジアラビア:
            サウジアラムコと昭和シェル石油(アラムコが15%出資)は2009年6月24日、サウジアラビア王国内において太陽光を活用した小規模分散型発電事業の可能性の調査を開始することに合意したと発表した。

10MWの太陽光発電のパイロットプラントを建設し、小規模独立型電力系統(マイクログリッド)への繋ぎ込みなどの技術検討を行い、この結果を受けて同国内での本格的な事業化へ移行する計画。

また、King Abdullah University of Science and Technologyは20MWの太陽光発電を行う。

   
アルジェリア:
  20099Hassi R'Melで150MWの太陽光発電を行うと発表。
   
エジプト:
  2020までに全電力の20%を再生可能エネルギーで賄う計画。
   
モロッコ:
  200911月に、2020までに90億ドルを投じて、合計2GWの再生可能エネルギーでの発電を行う計画を発表。
   
チュニジア:
  2010-2016年に国と民間の共同で、Tunisian Solar Planを実施、40幾つのプロジェクトを行う。総投資額は20億ドル。

2009129日にWorld Bankは、中東・北アフリカのクリーンエネルギー投資に合計55億ドル以上を融資すると発表した。

アルジェリア、エジプト、ヨルダン、モロッコ、チュニジアの5カ国での11の集光型太陽熱発電(Concentrated Solar Power)計画のために、Clean Technology Fundから7.5億ドル、他のソースから48.5億ドルを融資する。

 


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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