- LG化学は4月26日、スウェーデンのボルボに電気自動車(EV)の基幹部品であるリチウムイオン電池を供給する契約を結んだことを明らかにした。
供給はバッテリーセルだけでなく、制御システム(BMS)などさまざまな部品で構成された全体バッテリーパック形態で行われる。Volvoでは、2012年上市のプラグインハイブリッドに採用するとしている。
LG化学は電気車用バッテリー分野で世界1位で、これまで韓国の現代・起亜車と電気自動車メーカーのCT&T、米国のGMと自動車用部品メーカーのEaton Corporation、中国の長安汽車の5社と電気車用バッテリー供給契約を結んでいる。
ボルボはLG化学の6番目の顧客となる。
LG化学の金磐石副会長は以下のように述べている。
・ヨーロッパの名品自動車市場に進出し、改めて製品の競争力が認められることになった。
・世界3大自動車市場の米国・中国・ヨーロッパにすべてバッテリーを供給することになったという意味もある。
・世界的な自動車企業と実質的に納品契約を結び、大量生産体制を整えた会社はLG化学が唯一。
年末までに追加で4社以上の顧客を確保し、供給先を10社以上に増やしたい。
同社は米フォードとも納入交渉を進めていると報道されている。
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LG化学は2007年12月、現代自動車が2009年下半期から量産するAVANTE HYBRIDにリチウムポリマー電池を単独供給すると発表した。忠清北道・清原郡の梧倉テクノパークでハイブリッドカー用リチウムポリマー電池の本格的な量産に入る。
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LG化学は2009年10月、韓国の電気自動車メーカーのCT&Tに2010年からリチウムイオンバッテリーを供給すると発表した。
CT&Tはゴルフ場などで使用される低速走行の近隣用電気自動車(NEV)を生産しているが、LG化学はCT&Tの既存の電気自動車や今後開発する新型車にリチウムイオン2次電池を供給する。
CT&Tは、NEVの世界的メーカーで、最高時速40マイル、航続距離80マイルの2人乗 りの低速EV「e-ZONE」(日本名:TEYAN)を年間6万台生産し、中国やカナダ、アラブ首長国連邦、日本などに輸出している。
米国でも販売する予定。
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LG化学は2009年1月、「2010年に発売予定のGMの電気自動車シボレー・ボルト(Chevy Volt) に搭載されるリチウムイオン・ポリマー・バッテリーを供給する唯一の企業として選ばれた」と発表した。
2009/1/17 LG化学、GMに 電気自動車用バッテリー独占供給へ
同社はGMから2011年にデビューするBuick のプラグインハイブリッドカー(ガソリンと電気を動力源とし、家庭用電源からの充電が可能なハイブリッド車)用のバッテリーパック供給の指名を受けた。
LG Chem の米国子会社Compact Power は2009年8月、ミシガン州Troy に車載用リチウムイオン電池工場を新設する方針を明らかにした。
3億~4億ドルを投じて電気自動車 25万台分の工場を建設、2013年稼動を目指す。
オバマ政権の24億ドルの補助金から151百万ドルを受ける。
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LG化学は2010年1月5日、米部品メーカーEaton Corporationにハイブリッド商用車向けのリチウムイオン電池を供給する契約を結んだと発表した。今年11月から4年間にわたり供給する。
Eaton はLG化学のリチウムイオン電池をハイブリッド商用車の駆動系システムに搭載し、米トラックメーカーのNavistar、Peterbilt、Kenworthやイタリアのトラックや鉄道車両、ディーゼルエンジンのメーカーのIvecoなどに販売する。
Eaton は1911年設立で、産業用油圧システム、トラック・自動車用部品、自動車用エンジン制御機器、車両駆動系 システム、電気制御製品、航空宇宙燃料システムなどを生産する。
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LG化学は本年2月、中国の自動車大手、長安汽車(Changan Automobile)の研究開発担当子会社、長安新エネルギー自動車とハイブリッド車および電気自動車用LiBに関する共同開発の覚書を交わした。
環境対応車用バッテリーシステムを共同開発し、長安自動車が生産するハイブリッドカーと電気自動車向けに供給する。
早ければ本年下半期に上市予定の長安汽車の新型HVに採用される予定で、今後既存のHVもこれに切り替える。
長安自動車は昨年180万台の自動車を販売し、210億元(約2750億円)の売上を計上した中国3位の自動車メーカーで、昨年6月にハイブリッドバンの「CV11」を発売、本年に乗用モデルの「CV8」を発売した。
これらはすべてニッケル水素バッテリーを使用しているが、性能向上のためリチウムイオンバッテリーに変更する方針。
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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